製品説明
フィブロネクチンは分子量約40万の高分子糖タンパク質であり、血液中に大量に存在するとともに、細胞からも合成分泌される細胞接着因子である。細胞表面の特異的レセプター(インテグリン)により認識され、細胞の接着や運動を制御している。本キットは、フィブロネクチンの細胞接着ドメインに対するモノクローナル抗体を用いたEIAキットであり、細胞培養上清中や尿中の微量のフィブロネクチン、あるいはその分解物の定量に有用である。
本キットはプレートにあらかじめ抗体を固定化したプレコートタイプであり、簡便な操作で96アッセイを約3.5時間で完了できる。固相に固定化した抗体はヒトフィブロネクチンに特異的に反応しウシ抗原とは交差反応しないため、ウシ胎児血清を含む培地で培養したヒト細胞の上清をそのまま測定サンプルとして使用することができる。
内容
(96回分)
1.
| 抗ヒトFNモノクローナル抗体プレート |
1枚(96 well:8 well×12 strips) |
2. |
ペルオキシダーゼ標識抗FN抗体 (凍結乾燥品) |
11 ml用 |
3. |
標準品 (凍結乾燥品) |
1 ml用 |
4. |
検体希釈液 |
11 ml×2本 |
5. |
基質液 (TMBZ:3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンジジン) |
12 ml |
【注意】本製品は、Stop Solution(1N H
2SO
4)を含んでいません。別途、洗浄液成分(10×PBS;50 ml×5本、Tween 20;3 ml)と反応停止液をセットにしたWash and Stop Solution for ELISA without Sulfuric Acid(製品コード MK021)を販売していますのでご利用ください。
保存
4℃
原理
プレコートタイプ2ステップ・サンドイッチELISA法
性能
測定範囲 | : | 25~800 ng/ml |
検出感度 | : | 25 ng/ml |
特異性 | : | ヒトフィブロネクチンに特異的 |
測定時間 | : | 測定操作 2.5時間 |
検 体 | : | 細胞培養上清、尿、血漿、血清 検体量として100 μl/assay wellが必要 |
測定原理
抗Fibronectin抗体で検体中のFibronectinをとらえた後、もう一つのPOD標識した
抗Fibronectin抗体で検体中のFibronectinフラグメントを検出する。
血清希釈直線性
血漿および血清中のFNは高濃度のため、約100から250倍の希釈が必要となる。一方、尿中のFNの場合、正常群は原液での測定が可能。
3種類の血清検体を用いて希釈曲線を描いた。血清は100倍希釈(希釈倍率0.01)から倍々に段階希釈を実施している。一般に検体測定を実施する場合は血清、血漿を100~250倍すると測定範囲内に入ると思われる。
No.1:y="2".91×10
4x+14.2 r="0".992
No.2:y="1".71×10
4x+14.8 r="0".996
No.3:y="2".65×10
4x+11.8 r="0".998
抗体の認識部位
固相抗体 FN30-8;製品コード M010
標識抗体 FN12-8;製品コード M002
ドメイン構造 |
|
1: |
フィブリン&ヘパリン結合ドメイン |
2: |
コラーゲン結合ドメイン |
3: |
ヘパリン結合ドメイン |
4: |
細胞結合ドメイン |
SAS |
:Synergistic adhesion site |
5: |
ヘパリン結合ドメイン |
RGDS |
:Arg-Gly-Asp-Ser |
6: |
フィブリン結合ドメイン |
CS |
:Connecting segment |
【サーモリシンによるFNの限定分解断片と各モノクローナル抗体認識ドメイン】
クローン番号 |
ドメイン特異性 (上図参照) |
フィブロネクチンに対する細胞の接着への影響 |
ウシ抗原への交差反応性 |
ブタ抗原への交差反応性 |
ウサギ抗原への交差反応性 |
ラット抗原への交差反応性 |
FN12-8 |
細胞結合ドメイン |
阻害効果あり |
有 |
無 |
無 |
無 |
FN30-8 |
細胞結合ドメイン |
阻害効果あり |
無 |
無 |
無 |
無 |