Diversify PCR Random Mutagenesis Kitは、毒性のない方法を用いて長さが4 kbまでの配列に変異を導入する。本キットではホットスポットを生じることなく広範囲にわたってあらゆる変異が分布する。
Diversify PCR Random Mutagenesis Kitでは突然変異の誘発条件を操作できるため、極めて広範なサイズの配列に対して最適な突然変異を導入できる。2つの重要な試薬であるマンガン(Mn
2+)とdGTPの量を変化させるだけで、突然変異率を1,000 bp当り2~8まで選択することができる(図1)(1、2)。
Diversify法では、ClontechのTitanium
Taq PCRシステムを用いて4 kbまでのDNA断片を確実に増幅する。本キットでは、このように広範囲の配列を増幅できるので、短いDNA断片はもちろん、オペロン、プラスミド、巨大タンパク質をコードする配列への変異誘発にも理想的である。本キットには短時間でできるコントロール反応(U.S. Pat. No. 6,383,755)用のコンポーネントも含まれており、PCR後2時間でコントロール断片の変異率を相互に比較できる。
Diversity PCR Random Mutagenesis Kitには、TaqStart Antibodyを含むTitanium
Taq PCRシステムのほか、突然変異誘発用のバッファーと試薬のすべてが添付されている。
図1. バッファー条件による変異率の調節
バッファー条件1, 5, 9の変異率は、15,000 bp以上の広範囲にわたるDNAシーケンシングから求めた。他の変異率は、in vivo突然変異誘発アッセイの結果をシーケンシングデータとして標準化した(3)。
図2. Diversify PCR Random Mutagenesis Kitによる4 kb断片の増幅
図1に示したバッファー条件で、4 kbプラスミドの増幅を行った。レーン1~9はPCRバッファー条件1~9に対応する。レーンM:DNAサイズマーカー