ApoAlert Caspase Assay Kitは、蛍光または色素を用いてカスパーゼ・プロテアーゼ活性を検出する簡単で便利なキットである。アッセイの処理手順は非常に簡単で、わずか1×10
6個ほどの浮遊細胞あるいは付着培養細胞から調製した細胞ライセートをそのままアッセイに使用できる。サンプル数が多い場合には、マイクロプレートを用いた分析も可能である。細胞の回収から検出結果を得るまで全プロトコールをわずか約90分で終えることができる。
カスパーゼ・プロテアーゼは細胞内の特定の構造タンパク質、制御タンパク質およびDNA修復タンパク質を分解するプロテアーゼであり、アポトーシスにおいて重要な役割を担っている(1、2)。Caspase-9はアポトーシス刺激に反応してミトコンドリアから放出されるチトクロームcの働きによって、アポトーシス・カスケードの最初期に活性化される(3)。その後、活性化されたCaspase-9はCaspase-3やCaspase-6など、下流のカスパーゼ・プロテアーゼ活性を誘導する。
カスパーゼ蛍光アッセイキットでは蛍光基質の切断を試験することにより、カスパーゼの活性化を検出する。
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Caspase-3蛍光アッセイでは、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(AFC)による蛍光放射の変化を検出する。400 nmで励起した場合、プロテアーゼにより基質が切断されると、AFCは505 nmの緑黄色蛍光を発する。
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Caspase-9/6アッセイでは、7-アミノ-4-メトキシクマリン(AMC)による蛍光放射の変化を検出する。切断時に生じるAMCの蛍光は380 nm励起フィルターと460 nm放射フィルターを用いて測定できる。蛍光検出は非常に感度が高く、ごくわずかな活性カスパーゼの測定にも使用できる。
カスパーゼ比色アッセイでは、Caspase-3による発色団 p-ニトロアニリド(pNA)の切断を測定する。遊離したpNAは405 nmの吸収により、光学的に検出できる。
図1. アポトーシスにおけるカスパーゼ活性の検出
蛍光法と比色測定法の原理は同じであり、カスパーゼ・プロテアーゼにより合成基質から切断される蛍光基質または発光基質を検出する。