製品説明
本製品は、植物形質転換用のT-DNA領域を含むバイナリーベクターである。Rhizobium(Agrobacterium)rhizogenesのRiプラスミド由来であるがvir領域は含まない。本ベクターは、大腸菌およびRhizobium(Agrobacterium)中で自律的に複製するシャトルベクターでもある。
pUC系のプラスミドと同じ複製起点(ColE1 ori)を含むために大腸菌では高コピー数のプラスミドとして維持され、Riプラスミド由来の変異型複製起点(Ri-ori)を含むのでRhizobium(Agrobacterium)中でも安定に維持される。大腸菌、Rhizobium(Agrobacterium)での選択マーカーとしてカナマイシン耐性遺伝子NPT IIIを、植物での選択マーカーとして変異型カナマイシン耐性遺伝子NPT IIを含んでいる。クローニングサイトとしてpUC系のプラスミドに使われる制限酵素切断部位が使用できる。
クローニングサイトに発現カセット(プロモーター+目的遺伝子+ターミネーター)を導入して使用する。
本ベクターをバイナリーベクター法による植物形質転換に使用できるRhizobium(Agrobacterium)と組み合わせることにより、植物形質転換に用いることができる。また、クローニングサイトが植物の選択マーカー(NPT II)に対してT-DNAのRight Border(RB)側に配置されているため、目的遺伝子が欠失することなく、安定に植物染色体への組込みが可能となる。
保存
-20℃
濃度
0.5 μg/μl
形状
10 mM | Tris-HCl, pH8.0 |
1 mM | EDTA |
調製
カラム処理によりプラスミドDNAを精製。
鎖長
9,168 bp
pRI909, pRI910のDNAシーケンスデータ
Fasta形式 : ホモロジー検索のデータベースや配列を扱う各種ツールに使用する際によく使われるファイル形式で、一行目の>の後ろにファイル情報(ベクター名)を入れています。
配列部分は、60塩基ごとに改行した形です。
品質管理データ
用途
pRI 909/910 DNAのベクターマップ
pRI 909とpRI 910では、MCSおよびその周辺配列が逆向きです。
ColE1 ori:大腸菌での複製起点
Ri ori:
Rhizobium(
Agrobacterium)での複製起点
RB, LB:植物染色体に組み込まれるT-DNAのボーダー配列
NOS-promoter, NOS-terminator:植物での選択マーカー遺伝子発現のためのプロモーターおよびターミネーター
NPT II:植物での選択マーカー遺伝子
NPT III:大腸菌および
Rhizobium(
Agrobacterium)での選択マーカー遺伝子(カナマイシン耐性)
クローニングサイト図