製品説明
PAmCherryは光照射により活性化される赤色蛍光タンパク質mCherryの変異体である。350~400 nmの光照射により、初めて蛍光体となる。細胞や細胞内部位に光活性化領域を限定することにより、目的の細胞やオルガネラやタンパク質の動きを追跡することが可能となる。光活性化PAmCherryの励起極大波長は575 nm、蛍光極大波長は601 nmであり、DsRed変異体やmCherryなどの他の赤色蛍光タンパク質の検出と同じフィルターセットを使用してモニターすることができる。
PAmCherryのような光活性化蛍光タンパク質は、活性化後に新規に合成されたタンパク質分子が蛍光を発しないため、タンパク質の半減期やタンパク質輸送経路の解析などに特に適している。蛍光タンパク質を光活性化した時点で細胞内に存在したタンパク質分子を、観察し続けることができる。
細胞膜、ミトコンドリア、アクチン、チューブリンへの細胞内局在化を調べるためのベクター(pPAmCherry-Actin)や、目的タンパク質のN末あるいはC末にPAmCherryを融合して発現するためのベクター(pPAmCherry-N1等)など、さまざまなベクターを用意している。
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図1. pPAmCherry細胞内局在化ベクター
特定の細胞小器官(図中ではミトコンドリア)に局在したPAmCherryは350~400 nmの光を照射することで活性化される。PAmCherryは DsRedやmCherryのような他の赤色蛍光タンパク質の検出時と同じフィルターセットを用いて視覚化できる。
図2. PAmCherry-Mitoによる一部のミトコンドリアの挙動観察
細胞内の一部の領域にあるミトコンドリアのみを光活性化することにより、細胞内の活性化されなかった領域(暗い領域)へのミトコンドリアの移動を観察することができる。pPAmCherry-MitoをU2OS細胞へ一過性にトランスフェクトした後、細胞内の微細領域のPAmCherry-Mitoを活性化した。HeNe 543 nmの励起レーザーと標準的な赤色蛍光フィルターセットを使用して、10秒ごとに15分間、細胞のイメージングを行った。
図3. 光活性化されたPAmCherry-Mitoは強い赤色蛍光を示し、ミトコンドリアに局在する
PAmCherry-Mitoを用いてU2OS細胞を一過性にトランスフェクトした。アルゴン458 nmレーザー(スキャン速度: 400 Hz)を使用して、PAmCherry-Mitoを活性化し、HeNe 543 nmの励起レーザーおよび標準的な赤色蛍光フィルターセットを使用してイメージングを行った
図4. mCherry Monoclonal Antibodyによる哺乳類細胞ライセートでのPAmCherryの検出
pPAmCherry-N1をHEK 293細胞へ一過性にトランスフェクトした。PAmCherry-N1を一過性に発現するHEK 293細胞(レーン1)、およびネガティブコントロール(トランスフェクトを行っていない細胞;レーン2)から細胞可溶化物(30,000個の細胞に相当)を調製した。それぞれの溶解物およびポジティブコントロール(5 ngの組換えmCherryタンパク質;レーン3)を、SDS-PAGEによって分離し、1:1,000の推奨希釈倍率でmCherry Monoclonal Antibodyを使用し、ウェスタンブロットを行った。
内容
20 μl(500 ng/μl)
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