バイオ医薬品安全性試験 Molecular Biology:qPCRによる種特異的ウイルスの検出

サービス内容

製造工程を通して動物由来の原材料を使用した全ての製品は、ウイルス汚染のリスクを評価する必要があります。原材料の由来、細胞株、ウイルスシードの起源等には特に注意が必要です。種特異的ウイルスはIn vitro In vivo 試験では検出することができないことが多く、このようなウイルスの混入を評価するには、PCR法が現在最も効果的なツールとなっています。検出対象となるウイルスは、重篤疾患または発癌に関わるもの、また細胞内に潜伏感染しているものです。インフルエンザワクチンのように、細胞培養により製造されるワクチンにおいて、EUの規制当局は、PCRによる呼吸器系特異的ウイルスの検出試験を実施することを推奨しています。もしインフルエンザウイルスのワクチンシードが、鶏卵での培養履歴がある場合や、細胞基材がトリ由来のものである場合、 PCRによる外来性トリウイルス試験の実施が推奨されています。アッセイの感度が製品の安全性を保証するために十分であれば、縮重プライマーやコンセンサスプライマーを使用してマルチプルPCRを実施し、関連のある複数のウイルスを検出することが可能です。

本試験のリアルタイムqPCRでは、試験検体中の病原ウイルスの配列の存在を検出するため、forward/reverseプライマーセットと蛍光プローブを使用します。qPCR試験パッケージはお客様の細胞株に応じてカスタマイズし、規制要件に適合させます。それぞれのqPCRアッセイは、プローブの技術を利用して、ガイドラインで推奨される要件に適合したアッセイを行います。

ICHガイドラインに従ってバリデートされたPCRアッセイ法により、バイオ医薬品における高感度ウイルス検出試験に関わる規制要件を満たすことができます。本試験のバリデーション、デザインは、全てUS FDA, ICH Q2, 欧州薬局方に記載された方法に基づき実施されます。検出限界、特異性、定量限界、95% cut-off、 定量限界を含む全てのバリデーションパラメータが、ビトロロジー社のQAが承認したバリデーションレポートによってお客様へ示されます。

以下のコントロールシステムは、欧州薬局方2.6.21に従って実施されます。

  • コンタミネーションのリスク管理 :
    試薬調製、試験検体、ポジティブコントロール調製用の独立した試験室を有し、それぞれの部屋や作業段階において複数のコントロールをおいてコンタミネーションリスクの管理をしています。
  • 核酸抽出における阻害確認 :
    核酸を抽出する前に、検体は希釈され、低レベルのウイルスゲノムを模倣したコントロールDNAまたはRNAがスパイクされます。
  • 核酸増幅阻害確認 :
    「核酸抽出コントロールDNAまたはRNA」の存在を確認するために、検体と希釈系列を試験する前に、それぞれの検体は、2次コントロールとして「増幅インターナルコントロール」がスパイクされます
  • 試験サンプル量の最適化 :
    低レベルのインターナルコントロールの結果から、ターゲットウイルスを検出するための最適な検体濃度を決定します。
  • ポジティブコントロール :
    試験特異阻害物質の確認のため、検出限界付近のポジティブコントロールウイルスの核酸を検体にスパイクします。

ヒト、サル、昆虫、マウス、鳥類(ニワトリ、アヒル)、ウシ、ブタウイルスの検出用に、100を超えるバリデートされたqPCR試験をご提供しています。以下のリスト以外の種特異的ウイルスについても現在開発中です。


Insect and avian viruses Human and Murine viruses
Peking Duck Hepatitis B Human Immunodeficiency virus 1 & 2
Duck Enteritis virus Human T-cell Leukaemia virus 1 & 2
Duck parvovirus Hepatitis viruses A, B and C
Duck circovirus B19 Parvoviruses
Chlamydia psittaci Epstein Barr virus
Duck Adenovirus Human cytomegalovirus
Influenza virus Simian virus 40, Syphilus
Avian Coronavirus (IBV) Human Polyoma viruses
Duck Hepatitis virus 1 and 3 Herpes simplex virus 1 and 2
Avian Reovirus Adeno-associated viruses
Avian Leukaemia viruses (ALV A-E, J) Mammalian Reoviruses
Avian Reticuloendotheliosis virus (REV) Adenoviruses and Papillomaviruses
Chicken Anaemia virus (CAV) Minute Mouse virus
Nodaviruses Circoviruses and Enteroviruses


Bovine and Porcine Viruses (Including all 9 CFR/EMEA listed viruses) and New Emerging Viruses of Concern
Adenoviruses, TGEV, PHEV Teschoviruses and Enteroviruses
Parvoviruses, BPI-3, BRSV Porcine Lymphotropic Herpesvirus
Bocaviruses, Hokoviruses Encephalomyocarditis virus
Rabies & Blue Tongue virus Equine encehalomyocarditis viruses
Bovine viral diarrhoea virus 1 & 2 TTV & Hepatitis E virus
Pseudorabies virus, BHV 1 & 4 Swine vesicular disease virus
Swinepox virus Hantaviruses and Rotaviruses
Bornavirus and Polyomavirus Anelloviruses and circoviruses
Porcine cytomegalovirus West Nile virus


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