同施設内において様々な哺乳類細胞株を取り扱うことにより、細胞間のクロスコンタミネーションが引き起こされる可能性があります。従って、バイオ医薬品の製造に使用される細胞株の純度とその同一性の確認は、規制当局承認のための要件となっています。アイソエンザイム解析は、動物種の確認や、同種間での細胞のコンタミネーションを検出するために有用な方法として知られています。
本試験ではAuthetiKit™ systemを使用してアイソエンザイム試験を実施しています。 AuthetiKit™は検体毎の特徴的な電気泳動パターンによってその酵素(アイソエンザイム)を決定します。異なる動物種のアイソエンザイムは異なる電気泳動移動度を示します。現在、以下に示している7種の酵素に対して試験することが可能です。: AST (aspartate aminotransferase), G6PD (glucose-6-phosphate dehydrogenase), LDH (lactate dehydrogenase), MDH (malate dehydrogenase), MPI (mannose phosphatase isomerase), NP (nucleoside phosphorylase), PEP B (peptidase B).
バイオ医薬品において、一般的に使用されてる細胞株は以下の動物種からなります(Chinese hamster (CHO, BHK21), mouse (NS0), Cercopithecus monkey (Vero), Canine (MDCK), Insect (Sf9 & Hi5) and human (HEK 293, Per.C6, MRC-5))
本サービスでは細胞株の同一性試験に最低4種類のアイソエンザイムを使用していますが、6種類のアイソエンザイムの使用が推奨されている動物種もあります。
その他の同一性試験として、微生物、昆虫細胞、ヒト細胞株を対象としたDNAフィンガープリンティング試験、Random amplified polymorphic DNA(RAPD)試験もご提供しています。
組換え細胞基材を用いて製造されるバイオ医薬品の承認には、組換えDNA遺伝子が安定的に発現していることを、広範囲な解析によって保証することが求められています。
ベクターやプラスミドが挿入された真核生物や原核生物のセルバンクでは、発現システムの分子生物学的な解析や、目的遺伝子をコードしているmRNA転写産物の解析が必要となります。
qPCRによる遺伝子コピー数、mRNAやゲノムDNAのシークエンス、サザンブロット、ノーザンブロット解析サービスなどをご提供いたします。