CRE Recombinase Gesicles

エキソソーム様小胞を利用してCreリコンビナーゼを細胞に直接導入
  • 欠失、挿入、転位などの部位特異的組換えに
  • Creリコンビナーゼ酵素タンパク質を直接細胞に導入
  • 発現プラスミドより迅速で効率的
  • 操作は極めて簡単;細胞に添加するだけ!
  • 酵素遺伝子を導入しないため、Creリコンビナーゼ活性は一過性
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別)
キャンペーン価格
特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
631449

CLN

Clontech
CRE Recombinase Gesicles
導入システム編 ライセンス
200 μl ¥106,000
¥84,800
2024/11/25~
2025/03/31

説明書・データシート・ベクター情報
Z1449N
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製品説明

CRE Recombinase Gesiclesは、エキソソーム様小胞を利用してCreリコンビナーゼを直接、哺乳類細胞に導入する製品である。プラスミドベクターやウイルスベクターなどの核酸を用いることなく、迅速、簡便にCreリコンビナーゼを導入できる。
細胞内にCreリコンビナーゼ遺伝子を導入しないため、Creリコンビナーゼの発現が持続する心配がなく、目的以外の予期せぬ組換えを防ぐことができる。

CRE Recombinase Gesiclesの利点

  • プラスミドやウイルスベクターを用いた遺伝子導入より簡単
    目的細胞にCRE Recombinase Gesiclesを10~20 μl添加するだけ。事前の試薬調製や前処理は不要
  • 様々な細胞に適応
    増殖細胞、非増殖細胞、初代細胞、株化細胞など様々な細胞に導入可能
  • 高活性のCreリコンビナーゼを確実、効率的に導入(図1参照)
    Creリコンビナーゼ酵素タンパク質を直接導入するため、転写や翻訳の時間は必要なく、細胞に加えるだけで、すぐに高い酵素活性が得られる。
  • 必要な時だけCre リコンビナーゼ活性を利用可能
    細胞内にCreリコンビナーゼ遺伝子が存在しないため、細胞内でCreリコンビナーゼが発現し続けて予期せぬ組換えを起こす危険性がない。

Cre Recombinaseとは

Cre Recombinaseは、バクテリオファージP1由来の部位特異的組換えを触媒する酵素で、loxPサイトと呼ばれる34塩基の配列を認識して2か所のloxPサイト間で組換えを起こす。ゲノム上、あるいはプラスミド上でタンデムに並んだ2か所のloxPサイトに挟まれた配列を抜き去って欠失変異を起こしたり、loxPサイトを1か所含むプラスミドを用いてゲノムDNA上のloxPサイトに部位特異的にプラスミド配列を挿入するなど、遺伝子のノックインやノックアウトに広く利用されている。

CRE Recombinase Gesiclesの原理

Cre Recombinase Gesiclesの原理
CRE Recombinase Gesiclesは、その内部に高濃度のCreリコンビナーゼ酵素タンパク質を包含したエキソソーム様小胞である。
293T細胞の細胞膜上にグリコプロテインが生成すると細胞内からエキソソーム様小胞の形成が誘導され、Gesiclesが放出される。iDimerize技術によりCreリコンビナーゼは赤色蛍光タンパク質CherryPickerと結合し、Gesicle内に包含される。細胞からGesiclesを取り出し、哺乳類の培養細胞に加えると、Gesiclesは細胞膜と融合し、Creリコンビナーゼを細胞内に放出する。Creリコンビナーゼは核移行シグナルを持っているため核に輸送され、細胞ゲノム上でloxPサイト間の組換えを起こすことが可能となる。さらに、Creリコンビナーゼの細胞への導入をmCherryの蛍光によりモニターすることも可能である。
CherryPicker蛍光タンパク質:赤色蛍光タンパク質mCherryとトランスフェリンレセプター膜アンカードメインの融合タンパク質


Cre Recombinase Gesiclesの原理

図1.CRE Recombinase Gesiclesの原理と細胞への導入例
LacZ遺伝子上流にloxPで挟まれたストップコドンカセットを持つレポーター細胞株は、Creリコンビナーゼで処理し、ストップコドンカセットを除くとLacZ遺伝子が発現する(図1上段)。このレポーター細胞株を用いてCRE Recombinase Gesiclesの効果を調べた。細胞にCRE Recombinase Gesiclesを20 μl添加して3時間処理し、24時間後にBeta-Galactosidase Staining Kit(製品コード 631780)を用いて染色した。CRE Recombinase Gesiclesで処理した細胞は、濃い青色に染色され、高いCreリコンビナーゼ活性が示された(図1下段中)。また、Gesiclesの導入により、赤色の蛍光が示された(図1下段右)。


Cre Recombinase Gesiclesの原理

図2.CRE Recombinase Gesiclesとプラスミドでの遺伝子導入の比較
LacZ遺伝子上流にloxPで挟まれたストップコドンカセットを持つレポーター細胞株は、Creリコンビナーゼで処理し、ストップコドンカセットを除くとLacZ遺伝子が発現する。レポーター細胞株を用いてCreリコンビナーゼ発現プラスミドとCRE Recombinase Gesiclesの効果を比較した。発現プラスミドをトランスフェクション後、または、20 μlのCRE Recombinase Gesiclesで3時間処理した後、培地交換した。さらに24時間培養後、Beta-Galactosidase Staining Kit(製品コード 631780)によりLacZ遺伝子の発現を検出した。発現プラスミド(図2下段中)と比較してCRE Recombinase Gesicles(図2下段右)は、短時間の処理でより効率良くストップコドンの除去が行えた。


Cre Recombinase Gesiclesの原理

図3.様々な細胞におけるCRE Recombinase GesicleによるZsGreen1 レポーターアッセイの実験例
pLVX-LoxP-ZsGreen1は、loxPで挟まれたストップコドンカセットによりZsGreen1 cDNAとEF1αプロモーターが分断されおり、Creリコンビナーゼによってストップコドンカセットが取り除かれると、ZsGreen1が高発現する(図3上段)。実験に使用した全ての細胞は、pLVX-LoxP-ZsGreen1を導入し、puromycinで選択した安定発現株である。これらの細胞にCRE Recombinase Gesiclesを加えて、32℃で30分間1,000×gで遠心後、37℃で3時間培養した。その後培地交換し、さらに48時間培養後に、蛍光顕微鏡によるZsGreen1の発現観察(中段図)とFACSによるZsGreen1の発現解析を行った(下段表)。

内容

200 μl(12 wellプレート 20 well分)

保存

-70℃

製品以外に必要な試薬(主なもの)

完全培地(抗生物質不含)
ポリブレン(Hexadimethrine bromide, Sigma Cat.No H9268)
注意事項
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