Cellartis MSC Xeno-Free Culture Medium(製品コード Y50200)はヒト間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells:MSC)の培養用培地である。動物由来成分を含まないXeno-Free培地であり、再生医療研究にも最適である。本培地を用いると、プレートコーティング剤不使用の条件下でも細胞は高い増殖性を示し、また、未分化状態を維持した培養が可能である。Cellartis MSC Xeno-Free Culture Medium(w/o Phenol Red)(製品コード Y50205)は、Y50200の組成よりフェノールレッドのみを除いた培地である。
※プレートコーティング剤としてRetroNectin(製品コード T100A/B、T202)またはフィブロネクチン(ヒト)を使用することで、増殖性などを高く維持できる場合があります。
- Cellartis MSC Xeno-Free Basal Medium: 4℃(凍結不可)
- Cellartis MSC Xeno-Free Basal Medium(w/o Phenol Red):4℃(凍結不可)
- Cellartis MSC Xeno-Free Supplement:-20℃(再凍結不可)
※ Supplementは、使用するまで記載の温度で凍結保存し、使用前に室温もしくは4℃(O/N可)で解凍して
ください。解凍後は長時間室温に放置せず、すみやかに使用してください。
※ Basal MediumにSupplementを添加した後は4℃で保存し、1ヵ月以内を目途に使用してください。
図1.コーティング剤フリーでヒト骨髄由来間葉系幹細胞を培養した場合の細胞観察画像
Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumを用いてヒト間葉系幹細胞を5日間培養した。
培養直後から高い増殖性を示しており、Day 4にはセミコンフルエントの状態になっていることが観察できた。
図2.コーティング剤フリーでのヒト間葉系幹細胞の長期維持培養
培養条件
ヒト骨髄、脂肪、臍帯マトリクス由来の3種のMSCのそれぞれについて、Cellartis MSC Xeno-Free Culture Medium(本培地)、および、A社Xeno-Free培地(A社XF培地)を用いて、コーティング剤有(コート剤 有)/無(コート剤 無)の2条件で3週間(21日間)培養した。また、いずれのMSCも、4.0×104 cells/ウェル(培地はそれぞれ2 ml、6-wellプレート使用)で培養を開始した。
*1 「コート剤 有」の場合は、ヒト血漿由来フィブロネクチン溶液を用いてコーティングした培養容器を使用した。
*2 A社Xeno-Free培地(コート剤 無)については、各MSCの培養容器への大幅な接着率低下が確認された時点で培養を中断した。
- Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumで培養したMSCは、優れた増殖性を示した。また、「コーティング剤 無」でもほぼ同等の増殖性能であることが分かった。
- A社Xeno-Free培地を用いて「コーティング剤 無」で培養した全てのMSCは、2継代目以降に培養容器への接着率の大幅な低下が確認された(*2)。
図3.コーティング剤フリーで培養したヒト骨髄由来間葉系幹細胞の分化誘導実験
Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumを用いてコーティング剤フリーで培養したヒト骨髄由来間葉系幹細胞の分化誘導実験を行った。
- Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumで培養したヒト骨髄由来間葉系幹細胞の様子
- 脂肪細胞分化培地2(製品コード C-28016)により脂肪細胞へ分化誘導した細胞のOil Red O染色結果
- 軟骨細胞分化培地(製品コード C-28012)により軟骨細胞へ分化誘導した細胞のAlcian Blue染色結果
- 骨芽細胞分化培地(製品コード C-28013)により骨芽細胞へ分化誘導した細胞Alizarin Red S染色結果
| 解析数 | 染色体数 | 核型 |
| 45 | 46 | 47 |
| 20 | 0 | 20 | 0 | 46, XY |
図4.コーティング剤フリーで培養したヒト間葉系幹細胞の簡易核型解析(Q-band)
Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumを用い、コーティング剤フリーの条件下で5回の継代培養を経たヒトMSCの核型解析(Q-band)を行ったところ、特徴的な構造異常は認められなかった。
図5. コロニー形成能の維持
Cellartis MSC Xeno-Free Culture Mediumで培養したMSCの各継代後の単位細胞あたりのコロニー形成細胞数より、総細胞中のコロニー形成細胞を換算した。結果、5継代後も高い割合のコロニー形成能を有する細胞の存在が確認できたことから、長期培養後も未分化性が維持できていることが示唆された。