製品説明
Electro-Cellsは、エレクトロポレーション法のために調製したコンピテントセルである。この方法は高電圧パルスで細胞膜を破断することにより DNAを細胞内に移入するもので、形質転換効率および結果の再現性に優れており、少量のサンプルを短時間で大腸菌に導入する際、特に威力を発揮する。
E. coli HST08 Premiumは外来のメチル化DNAを切断する遺伝子群mrr-hsdRMS-mcrBC, とmcrAを欠失している。その上、非常に高い形質転換能力を持っているため、メチル化されたDNAのクローニングから、遺伝子ライブラリーの作製、BACベクターなどを使用した長鎖ゲノムライブラリー作製等に広く使用できる。
また長鎖プラスミドDNAの形質転換能力にも優れており、同様の遺伝子型を持つ他のコンピテントセルと比較してコロニー形成速度も速いため、TaKaRa DNA Ligation Kit LONG(製品コード 6024)と組み合わせることで、10 kb以上の長鎖DNA断片のクローニングやライブラリー作製も容易に行える。
pUC系プラスミドでの形質転換の際には、β-ガラクトシダーゼのα-相補性を利用し、X-Gal添加により組換え体の選別が容易となる。
(X-Gal:5-Bromo-4-Chloro-3-Indolyl-β-D-Galactoside)
内容
E. coli HST08 Premium Electro-Cells | 50 μl×10本 |
pUC19 DNA (10 pg/μl) | 10 μl |
SOC Medium* | 1 ml×10本 |
* SOC Mediumの組成 :
2% | | Tryptone |
0.5% | Yeast extract |
10 mM | NaCl |
2.5 mM | KCl |
10 mM | MgSO4 |
10 mM | MgCl2 |
20 mM | Glucose |
【ご注意】
SOC Mediumを溶かした際に、稀に沈殿が生じる場合がありますが、品質には全く問題ありません。
沈殿が生じた場合は、室温で混ぜるかもしくは37℃で数分間温めて沈殿を溶かしてご使用ください。
保存
-80℃
品質
1)形質転換効率
取扱説明書の方法に従い、10 pgのpUC19プラスミドDNAで形質転換し、Amp+のプレートでコロニーを選別した。このとき、>1×109 transformans/μl pUC19プラスミドDNAの効率を得た。
2)β-ガラクトシダーゼのα-相補性の確認
pUC19DNAを用いて形質転換を行い、100 μg/mlのアンピシリン、60 μg/ml X-Galを含む L-寒天培地にプレートした場合、青色のコロニーが出現することを確認している。
Genotype
F
-,
endA1,
supE44,
thi-1,
recA1,
relA1,
gyrA96,
phoA, Φ80d
lacZΔM15, Δ(
lacZYA-
argF)U169, Δ(
mrr-
hsdRMS-
mcrBC), Δ
mcrA, λ
-
(K-12株由来大腸菌)
Cell density
1×1010 bacteria/ml
プラスミドスクリーニングに使用する抗生物質と選択濃度
抗生物質 | アンピシリン | カナマイシン | クロラムフェニコール | ストレプトマイシン | テトラサイクリン |
濃度(μg/ml) | 100 | 50 | 20 | 50 | 20 |