製品説明
SapphireAmp Fast PCR Master Mixは、伸長時間10秒/kbの高速反応が可能なPCR用Dye入りプレミックス試薬である。
高速PCRに必要なコンポーネント(最適化したバッファー、PCR酵素、dNTP Mixture等)と、アガロースゲル電気泳動操作時に便利な色素マーカー(青)ならびに比重増加剤を含む2倍濃度のプレミックスタイプで、ホットスタートPCR用酵素である。
プライマーと鋳型DNAを加えるだけで簡単に高速PCRを行うことができ、反応後は反応液を直接電気泳動に供することもできるため、飛躍的に作業効率を向上できる。
本製品は大腸菌のコロニーPCRによるインサートチェック(5 kb前後までの増幅を推奨)にも適しており、短時間で結果が得られる(5 kbの増幅所要時間;約1時間15分)。また、ヒトゲノムDNA を鋳型としたPCRで6 kbの増幅を確認している。
内容
(50 μl反応系×160回)
SapphireAmp Fast PCR Master Mix(2×Premix) | 1 ml×4 |
dH2O | 1 ml×4 |
保存
-20℃(4℃で3ヵ月保存可能)
過度な凍結融解の繰り返しは活性が低下する場合があります。使用頻度が高い場合、いったん融解したものは4℃保存をお勧めします。
使用前には、転倒混和後スピンダウンしてください。
用途
品質管理データ
PCR産物について
SapphireAmp Fast PCR Master Mixを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、PCR産物をそのままT-Vector[pMD20(製品コード 3270)、pMD19(Simple)(製品コード 3271)など]にクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。
色素マーカーについて
反応液5 μlを1% Agarose L03「TAKARA」(製品コード 5003、5003B)で泳動した場合、青色マーカーは3~5 kb付近および1 kb付近の位置に確認できる。また、色素は260 nm付近、620 nm付近に吸収をもつが、ゲル切り出しやNucleoSpin Gel and PCR Clean-up(製品コード 740609.10/.50/.250)による増幅産物のクリーンアップなどでDNAを回収すると除去することができる。
一般的なPCR反応液組成(total 50 μl)
PCR条件(例)
マウスおよびヒトゲノムDNA(増幅サイズ:~2 kb)、細菌ゲノムDNA(~6 kb)、コロニーPCR(~6 kb)の場合
3 step PCR
94℃ 1 min. →
98℃ 5 sec.
55℃ 5 sec.
72℃ 10 sec./kb*
30 cycles
* 1 kb以下は5 sec.に設定
注)変性条件は、サーマルサイクラーの使用機種と反応チューブの種類に合わせて設定する。設定の目安は、98℃ 5~10 sec.、あるいは94℃ 20~30 sec.。
マウスおよびヒトゲノムDNA(増幅サイズ:2 kb~6 kb)の場合
2 step PCR
94℃ 1 min. →
98℃ 5 sec.
68℃ 30 sec./kb
30 cycles
注)変性条件は、サーマルサイクラーの使用機種と反応チューブの種類に合わせて設定する。設定の目安は、98℃ 5~10 sec.、あるいは94℃ 20~30 sec.。