製品説明
EmeraldAmp MAX PCR Master Mix(2×Premix)は、PCRに必要なコンポーネント(酵素、バッファー、dNTP Mixture等)と、さらに電気泳動時に便利な色素マーカー(青色と黄色の色素)、比重増加剤を含む2倍濃度のプレミックスタイプのPCR試薬である。プライマーと鋳型DNAを加えるだけで簡単にPCRが行え、反応後は反応液を直接電気泳動解析に供することができ、操作が大幅に簡略化できる。反応液は鮮やかな緑色(Emerald Green)を呈しているので、電気泳動ゲルへのアプライ確認が確実に行える。
本製品は、高い増幅能をもつPCR酵素と至適化したバッファーを採用しており、長いフラグメントの増幅にも適している。ヒトゲノムDNAを鋳型にした場合、15 kbまで増幅が可能である。
内容
(50 μl反応系×160回)
EmeraldAmp MAX PCR Master Mix (2×Premix) | 1 ml×4 |
dH2O | 1 ml×4 |
保存
-20℃(4℃で3ヵ月保存可能)
過度な凍結融解の繰り返しは活性が低下する場合があります。使用頻度が高い場合、いったん融解したものは4℃保存をお勧めします。
使用前には、転倒混和後スピンダウンしてください。
用途
- ルーチンPCR
- コロニーPCR
- インサートチェック 等
実験例
【同一PCR条件による0.5~6 kbの増幅例】
EmeraldAmp MAXA社同タイプ製品B社同タイプ製品
EmeraldAmp MAX PCR Master Mixでは、同一PCR条件で0.5~6 kbの増幅が可能であった。増幅鎖長やGC含量に関わらず同一条件で増幅でき、条件検討にかかる手間を軽減できる。(弊社比較データ)
【コロニーPCRによるインサートチェック】
マウス肝臓由来cDNAライブラリー(ベクター: pUC19誘導体)で形質転換した大腸菌コロニーをランダムにピックアップし、ベクター上のプライマーを用いてPCRを行い、インサートサイズチェックを行った。
アプライ量:反応液 3 μl(50 μl反応系)
M:DL5,000 DNA Marker
1% Agarose L03「TAKARA」
品質管理データ
電気泳動時の色素マーカーについて
反応液5 μlを1% Agarose L03「TAKARA」(製品コード 5003、5003B)で泳動した場合、青色マーカーは3~5 kb付近、黄色マーカーは50 bp以下の位置に確認できる。
また、色素は260 nm付近、420 nm付近に吸収をもつが、ゲル切り出しやNucleoSpin Gel and PCR Clean-up(製品コード 740609.10/.50/.250)による増幅産物のクリーンアップなどでDNAを回収すると除去することができる。
PCR産物について
EmeraldAmp MAX PCR Master Mixを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、PCR産物をそのままT-Vector[pMD20(製品コード 3270)、pMD19 (Simple)(製品コード 3271)など]にクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。