製品説明
TaKaRa Taq HS Perfect Mixは、Taq DNA polymeraseを改変することにより伸長速度と特異性を高めた改良型PCR酵素を使用している。伸長時間を20 sec./kbに設定した高速PCR条件により、特異的なPCR増幅を迅速に行うことができる。本酵素は常温下でのDNA polymerase活性を抑えるモノクローナル抗体を添加したホットスタート用PCR酵素であり、PCR反応前のミスプライミングやプライマーダイマーに起因する非特異的増幅を抑えることができる。この抗体は、PCRの最初の変性ステップで変性するため、特別な活性化ステップは必要ない。また、反応コンポーネントをプレミックス化したことにより、常温での迅速な反応液調製が可能である。本酵素は5’→ 3’exonuclease活性および3’→ 5’exonuclease活性を有しない。
TaKaRa Taq HS Perfect Mixの開発に至るまで
TaKaRa Taq HS Perfect Mixは改変型Taqの採用により進化したベーシックPCR酵素です。優れた伸長速度により、PCRにかかる時間が一般的なベーシックPCR酵素の半分以下です。
※高い反応性や伸長性を求める場合は、
TaKaRa Ex Taqや
TaKaRa LA Taqをご使用ください。
内容
TaKaRa Taq HS Perfect Mix(2×) 500 μl×5
保存
-20℃
起源
Escherichia coli carrying a plasmid that encodes the Thermus aquaticus DNA polymerase gene
用途
Hot Start PCR法によるDNA増幅
一般的なPCR反応組成(total 50 μl)
TaKaRa Taq HS Perfect Mix(2×) | 25 μl |
Template | <250 ng |
Primer 1 | 0.2 μM | *1 | (final conc.) |
Primer 2 | 0.2 μM | *1 | (final conc.) |
滅菌精製水 | up to 50 μl |
注)反応液の室温調製も可能であるが、試薬は必ず氷上に置いて使用する。
*1 | Ramp temperature speedが5℃以上の高速サーマルサイクラーを用いる場合、Primer濃度を0.6 μMに設定してください。 |
Primer 設計
PrimerはTm値が55℃より高くなるように設定する。
(Tm値は下記のTm近似計算式※で計算)
※Tm値=4×(G,Cの数)+2×(A,Tの数)+35-2×(総塩基数)
注) | Nearest Neighbor法を用いたTm値を利用する場合は、PrimerのTm値が60℃より高くなるように設定する。 |
PCR条件
2step PCR
94℃*2 | 5 sec. | | 30~35 cycles |
65℃ | 20 sec./kb |
3step PCR
*3
94℃*2 | 5 sec. | | 30~35 cycles |
55℃ | 1 sec. |
68℃ | 20 sec./kb |
*2 | 変性温度は必ず94℃に設定してください。変性温度を95℃以上に設定することは酵素の失活による反応性低下の原因になります。 |
*3 | Tm近似計算式で計算したTm値が55℃以下の場合(Nearest Neighbor法で計算したTm値が60℃以下の場合)は、3 step PCRをお試しください。 |
【ご注意】
本製品は従来のベーシックPCR酵素と比べて、非常に少ない鋳型量からの増幅に対応したPCR酵素です。
そのため微生物検出を目的とした場合、反応系に混入した環境細菌由来の微量なゲノムDNAを鋳型に増幅してしまう場合があります。
その場合はPCRのサイクル数を減らす、プライマー設計を変更することをご検討ください。
PCR 産物について
TaKaRa Taq HS Perfect Mixを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、そのPCR産物をそのままT-Vectorにクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。