製品説明
本酵素は高度好熱古細菌Pyrococcus furiosus由来の超耐熱性酵素で、タンパク質、ペプチドのN末端メチオニン残基のみを遊離することができる。遺伝子組換えタンパク質でN末端メチオニン残基の選択的除去が必要な場合等に有効である。
保存
-20℃
由来
Escherichia coli carrying plasmids encoding the Pyrococcus furiosus methionine aminopeptidase gene
反応
N末端アミノ酸がメチオニンであるペプチドおよびタンパク質から、N末端メチオニン残基のみを特異的に遊離する。
活性の定義
Met-Pro-Ala-Ala-Glyを基質として、pH7.5において37℃で1分間に1 μmolのMetを遊離する酵素活性を1 Uとする。
比活性
1.0 U/mg protein
(37℃で測定、代表サンプル分析値)
10.8 U/mg protein
(75℃で測定、代表サンプル分析値)
品質管理データ
形状
0.01% Tween 20および0.1 mM CoCl2を含む10 mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)溶液
一般的性質
分子量: |
32,848(質量分析) |
|
約37,000(SDS-PAGE)
|
至適温度: |
85~95℃ |
熱安定性: |
75℃(pH7.2、1 hr、0.5 mM Co2+)でほぼ100%の活性を保持している |
至適pH: |
7.0~8.0 |
pH安定領域: |
4.1~10.6(75℃、1 hr、0.5 mM Co2+)で100%の活性を保持している |
変性剤耐性: |
尿素;2 M以下 |
|
グアニジン塩酸塩;0.2 M以下 |
|
SDS;0.01%以下 |
活性化剤: |
Co2+ |
阻害剤: |
EDTA |
基質特異性
Metに続くアミノ酸がAla、Gly、Ser、Thr、Pro、Val以外の場合は作用しない。(表1参照)
表1 Pfu Methionine Aminopeptidaseの基質特異性
X |
Met-Ala-Ala-Ala-Alaを100%としたときの切断率(%) |
Ala |
100 |
Gly |
58 |
Ser |
18 |
Thr |
9.1 |
Pro |
34 |
Val |
2.9 |
合成ペプチドMet-X-Ala-Ala-Ala(X:20種アミノ酸)を基質に用いて、メチオニン切断率を調べた。
表1以外のアミノ酸X(Cys, Asp, Asn, Leu, Ile, Gln, Glu, His, Met, Phe, Lys,Tyr, Trp, Arg)では本酵素は作用しない。この事実は、有核生物細胞での開始メチオニン除去の一般則とよく合致している。
使用上の注意
タンパク質がサンプルの場合、CM化など化学的手法での変性が必要。