製品説明
本酵素は、隣接した二本鎖DNAの5’-P末端と3’-OH末端をホスホジエステル結合で連結する酵素である。補酵素としてNADを要求する。本酵素は突出末端どうししか連結できない。しかし、PEGと高濃度一価カチオン存在下では平滑末端を連結することも可能である。また、RNAどうし、またはDNAとRNAは連結できない。
保存
-20℃
濃度
60 U/μl
形状
10 mM | リン酸カリウム緩衝液(pH7.5) |
50 mM | KCl |
1 mM | DTT |
1 mM | EDTA |
50% | グリセロール |
注意
本製品には反応用バッファーは添付されていない。
活性の定義
6 μg/20 μlのλDNA-Hind III分解物を、16℃で約30分間に90%以上ライゲーションさせる酵素活性を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
30 mM | Tris-HCl(pH8.0) |
4 mM | MgCl2 |
10 mM | (NH4)2SO4 |
1.2 mM | EDTA |
100 μM | NAD |
0.005% | BSA |
6 μg/20 μl | λDNA-Hind III分解物 |
純度
360 Uの本酵素と、1 μgのλDNA-Hind III分解物とを37℃、16時間反応させても、DNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
360 Uの本酵素と、1 μgのclosed circular (RF I) pBR322 DNAとを37℃、16時間反応させても、DNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
360 Uの本酵素と、1 μgの16Sおよび23S rRNAとを37℃、1時間反応させても、RNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
使用上の注意
本酵素は、大腸菌の過剰生産組換え体から精製され、夾雑物をほとんど含まない、きわめて純度の高い製品となっている。そのため高濃度であるが、大量に用いても全く問題はない。
用途
Okayama-Berg法やGubler-Hoffman法によるcDNA合成の際のsecond strand合成(Okayama-Berg法における使用量は約50 U、Gubler-Hoffman法における使用量は約1.5 U)
起源
Escherichia coli UT 481 carrying the plasmid encoding the ligase1,2)
一般的性質
- 分子量
約77,000
- サブユニット
シングルポリペプチド
- 至適pH
pH7.5~8.0(Tris-HCl緩衝液)
pH8.0(リン酸緩衝液)
- 補因子
NAD
- 活性化剤
二価カチオン:Mg2+(1~3 mM)、Mn2+(2~10 mM)高濃度では阻害
一価カチオン:NH4+、K+、Rb+、Cs+、Li+