製品説明
本製品は、Pyrococcus sp.由来の3'→5' exonuclease活性(proof reading 活性)を有する耐熱性α型DNAポリメラーゼである。Pyrococcus furiosus由来のPfu DNAポリメラーゼや、Vent DNAポリメラーゼと同等の正確性の高い増幅を行うことができ、しかもTaq DNAポリメラーゼと同程度の増幅効率がある。また、TaKaRa TaqなどのTaq DNAポリメラーゼとは異なり、hot start法を用いなくても非特異的増幅が抑えられるのも特長である。
内容
(125 U)
Pyrobest DNA Polymerase |
125 U |
10×Pyrobest Buffer II (10 mM Mg2+ plus) |
500 μl |
dNTP Mixture |
400 μl |
保存
-20℃
形状
50 mM |
Tris-HCl (pH8.2) |
0.1 mM |
EDTA |
1 mM |
DTT |
0.1% |
Tween 20 |
0.1% |
NP-40 |
50% |
Glycerol |
添付dNTP Mixture*
濃度 |
各2.5 mM |
形状 |
水溶液(ナトリウム塩)pH7~9 |
純度 |
各98%以上 |
* dATP、dCTP、dGTP、dTTPの等モル混合物で、希釈せずにそのままPCR反応に用いることができる。
活性の定義
活性化サケ精子DNAを鋳型/プライマーとして用い、下記の活性測定用反応液中にて74℃において、30分間に10 nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性沈殿物に取り込む活性を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
20 mM |
Tris-HCl 緩衝液 (pH8.3, 37℃) |
10 mM |
KCl |
6 mM |
(NH4)2SO4 |
2 mM |
MgCl2 |
0.1% |
Triton X-100 |
0.001% |
BSA |
各 200 μM |
dATP・dGTP・dCTP |
100 μM |
[3H]TTP |
0.4 mg/ml |
活性化サケ精子 DNA |
純度
●10 Uの本酵素と0.6 μgのλ-Hind III分解物を74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
●10 Uの本酵素と0.6 μgのsupercoiled pBR322 DNAを74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
●10 Uの本酵素と0.6 μgのλDNAを74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
一般的なPCR反応液組成(Total 50 μl)
Pyrobest DNA Polymerase(5 U/μl) |
0.25 μl |
10×Pyrobest Buffer II |
5 μl |
dNTP Mixture(各2.5 mM) |
4 μl |
Template | <500 ng |
Primer 1 | 0.2~1.0 μM (final conc.) |
Primer 2 | 0.2~1.0 μM (final conc.) |
滅菌精製水 | up to 50 μl |
PCR条件 (例)
1 kb DNA を増幅する場合
98℃、10 sec 68℃、1 min
|
30 cycles |
または
98℃、10 sec 55℃、30 sec
72℃、1 min
|
30 cycles |
(注意)
・基本的には2ステップPCRをお勧めします。プライマーのTm値が低く、2ステップPCRが難しい場合には、3ステップPCRをお試しください。
・変性の条件は、使用機種とチューブの種類にあわせて設定してください。変性時間の設定の目安は、94℃の場合は20 sec~30 sec、98℃の場合は1sec~10sec です。
PCR産物について
Pyrobest DNA polymeraseを用いて増幅したPCR産物の多くは平滑末端である。したがって、そのPCR産物をそのまま(必要に応じてリン酸化して)平滑末端のベクターにクローニングすることが可能である。
PCR 検定
●大腸菌ゲノムDNAを鋳型としたPCR反応(増幅産物8 kb)において良好な増幅が見られることを確認している。
●ヒトゲノムDNAを鋳型としたsingle copy gene(p53遺伝子)のPCR反応(増幅産物2.9 kb)において良好な増幅が見られることを確認している。
用途
Polymerase Chain Reaction(PCR)法によるDNA増幅、特に正確性が要求されるPCRに最適。
使用上の注意
イノシンを含むプライマーの使用は避けてください。
補足資料