細胞内局在化ベクターは、局在化シグナルや細胞内構造タンパク質を融合した蛍光タンパク質をコードしており、特定のオルガネラを可視化できるready-to-useなベクターである。
本ベクターを用いることで、蛍光顕微鏡により非侵襲的に、生細胞中の細胞内構造をリアルタイムに観察することができる。タンパク質と細胞構造の両方を異なる蛍光タンパク質で標識すれば、目的タンパク質の局在と任意の細胞内構造を関連づけて観察することも可能である。
Living Colors蛍光タンパク質を用いて多重標識を行う場合、図2のような数種の組み合わせが考えられる。
図2. 顕微鏡観察のために推奨する組み合わせ
図3. Living Colors AcGFP1は蛍光顕微鏡やその他の多重標識用途に最適
AcGFP1あるいはDsRed2タンパク質と他のタンパク質との融合タンパク質を細胞に一過性トランスフェクション後、蛍光顕微鏡下で観察した。
パネルA: | AcGFP1とミトコンドリアマーカータンパク質との融合タンパク質、およびDsRed2と細胞核マーカータンパク質との融合タンパク質のHEK 293細胞での発現 |
パネルB: | AcGFP1とゴルジ体マーカータンパク質との融合タンパク質、およびDsRed2と細胞核マーカータンパク質との融合タンパク質のHEK 293細胞での発現 |
パネルC: | ラミンBと単量体DsRedタンパク質との融合タンパク質(非売品)、アクチンとAcGFP1タンパク質との融合タンパク質 |
図4. HcRed1 Localization Vectorを用いた細胞小器官の可視化
pHcRed1-Nuc Vector(パネルA)またはpHcRed1-Mito Vector(パネルB)をHeLa細胞にトランスフェクトし、Chroma TechnologyのHcRed1専用フィルターセットを
備えたZeiss Axioskop50顕微鏡で観察した。