製品説明
コンピテントセルは、外来DNAを取り込む能力を持つ受容菌で、遺伝子組換え体プラスミドなどを取り込む。形質転換、形質導入などが、効率良く確実に行えるコンピテントセルが必要となる。タカラバイオでは、Hanahanの方法に改良を加え、このコンピテントセルを調製した。
E. coli HST04 dam-/dcm-は本来大腸菌が持っているメチル化遺伝子dam、dcmを欠損しているため、DNAが大腸菌によりメチル化されることがない。本製品で調製されたplasmidはdamまたはdcm methylaseの影響を受ける制限酵素で切断することが可能である。
なお、dam、recAの2重変異株は致死になるため、本株はrecA+株になっている。このため、反復配列をもつような外来DNAはrecA遺伝子により、組換えが起こることが予想される。
本製品はクローニング用の宿主には適していない。形質転換の際には、あらかじめ構築されたプラスミドの使用をお勧めする。
内容
E. coli HST04 dam-/dcm- Competent Cells | 100 μl×10本 |
pUC19 DNA (0.1 ng/μl) | 10 μl |
SOC Medium* | 1 ml×10本 |
*SOC Mediumの組成:
2% | | Tryptone |
0.5% | Yeast extract |
10 mM | NaCl |
2.5 mM | KCl |
10 mM | MgSO4 |
10 mM | MgCl2 |
20 mM | Glucose |
【ご注意】
SOC Mediumを溶かした際に、稀に沈殿が生じる場合がありますが、品質には全く問題ありません。
沈殿が生じた場合は、室温で混ぜるかもしくは37℃で数分間温めて沈殿を溶かしてご使用ください。
保存
-80℃
品質
形質転換効率
プラスミドベクターを用いて形質転換する場合の方法により1 ngのpUC19 DNAで形質転換し、Amp+のプレートでコロニーを選別した。
このとき、> 1×106 colonies/μg・pUC19 プラスミドDNAの効率を得た。
Genotype
F-, ara, Δ(lac-proAB)[Φ80dlacZΔM15], rpsL(str), thi, Δ(mrr-hsdRMS-mcrBC), ΔmcrA, dam, dcm
Cell density
1~2×109 bacteria/ml
プラスミドスクリーニングに使用する抗生物質と選択濃度
抗生物質 | アンピシリン | カナマイシン | クロラムフェニコール | ストレプトマイシン | テトラサイクリン |
濃度(μg/ml) | 100 | 50 | 20 | NA | 20 |