製品説明
MightyAmp DNA Polymeraseは、特に2 kb程度までの短鎖の増幅において究極の反応性を追求して開発されたPCR酵素であり、通常のPCR酵素では増幅が困難なPCR阻害物質を多く含むクルードな生体粗抽出液を用いる場合にも、その強力な増幅能により良好な反応性を示す。
MightyAmp DNA Polymerase Ver.2では、MightyAmp DNA Polymeraseに改良したバッファーを組み合わせることにより、血液、動植物組織などの生体試料を直接反応液に加える「ダイレクトPCR」が可能になった。従来のMightyAmp DNA Polymeraseと同様、PCR阻害物質を多く含むクルードな生体粗抽出液からGCリッチ、ATリッチを問わず、広範囲なターゲットの増幅が可能であり、少量の鋳型からの増幅でも良好な反応性を示す。
なお、本酵素は98℃までポリメラーゼ活性を抑制する強力なモノクローナル抗体を用いたホットスタートPCR用酵素である。
(実験例は、技術情報_Applicationをご覧ください。)
内容
(200回用)
*1
MightyAmp DNA Polymerase(1.25 U/μl) | 200 μl |
2×MightyAmp Buffer Ver.2(Mg2+, dNTP plus)*2 | 1 ml×5 |
*1 反応液容量50 μlでの回数
*2 Mg
2+濃度は4 mM(2×)、dNTP濃度は各800 μM(2×)
保存
-20℃
一般的なPCR反応液組成(Total 50 μl)
| 使用量 | 最終濃度 |
2×MightyAmp Buffer Ver.2 | 25 μl | 1× |
Primer 1 | 15 pmol | 0.3 μM |
Primer 2 | 15 pmol | 0.3 μM |
生体試料/粗抽出液*1 | ≦5 μl*1 | |
MightyAmp DNA Polymerase | 1 μl | 1.25 U/50 μl |
滅菌精製水 | up to 50 μl | |
*1 組織サンプルおよび抽出液の持ち込み量の目安。
●EDTA血、へパリン血*2 | ≦5 μl |
●マウス尾 | ≦1 mm |
●マウス耳 | ≦1.5 mm2 |
●マウス臓器・脳 | ≦1.5 mm3 |
●植物の葉(トマト、ナズナ、ホウレンソウ) | ≦直径 2 mm |
●生体試料粗抽出液 | ≦5 μl |
*2 クエン酸血を用いると反応性が著しく低下します。ダイレクトPCRへのクエン酸血の使用はお勧めしません。
プライマー設計について
プライマーは、できるだけプライマー設計ソフト(OLIGO Primer Analysis Software:Molecular Biology Insights社など)を利用して、最適な配列を選択するようにしてください。
Tm値(下記の式*で計算)が60℃以上になるように設計することをお勧めします。
* Tm値(℃)= [(A、Tの数)×2]+[(G、Cの数)×4]-5
PCR条件
伸長温度を68℃に設定した3 step PCRが標準条件です。GCリッチターゲットを増幅する場合は、2 step PCRをお試しください。
- [ 3 step PCR ]
- 98℃ 2 min. *1
↓
98℃ | 10 sec. | | 30~40 cycles |
60℃ | 15 sec. |
68℃*2 | 1 min./kb |
- [ 2 step PCR ]
- 98℃ 2 min. *1
↓
98℃ | 10sec. | | 30~40 cycles |
68℃ | 1 min./kb |
*1 強力なホットスタート抗体を使用しているので、必ず98℃、2 min.の初期変性を行い、抗体を熱変性させてください。
*2 3 step PCRの場合も、伸長時間は68℃に設定してください。
PCR産物について
MightyAmp DNA Polymerase Ver.2を用いて増幅したPCR産物のほとんどは3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、PCR産物をそのままT-Vector(pMD20:製品コード 3270、pMD19 (Simple):製品コード 3271など)にクローニングすることができる。また、Mighty Cloning Reagent Set (Blunt End)(製品コード 6027)で平滑末端化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。