Tet-Off Advanced(第2世代)、Tet-Off(第1世代)Cell Lineは、テトラサイクリン発現誘導システムの、テトラサイクリン制御性トランス活性化因子(tTA)を安定的に発現する細胞株である。テトラサイクリン応答因子(TRE)promoter制御下で目的遺伝子を発現するベクターをTet-Off細胞株に導入するだけで、ドキシサイクリン(Dox)非存在下で目的遺伝子の発現を誘導することができる。
システムの構築は簡単に行うことができる。まず、TREプロモーター(P
TRE3Gなど)の下流に目的遺伝子をクローニングし、その後、このプラスミドをTet-Off細胞株(G418-耐性)に導入し、安定発現株の選抜を行う。tTAを安定的に発現する本細胞株を用いることにより、Tet-Offシステムの構築に要する時間を約2ヵ月間短縮することができる。
図1. Tet-Offシステムの発現誘導原理
テトラサイクリン制御性トランス活性化因子(tTA)は、ドキシサイクリン(Dox)の非存在下でテトラサイクリン応答因子(TRE)プロモーターに結合し目的遺伝子の発現を活性化する。Tet-Off Cell LineはこのtTAを安定的に発現する細胞株である(図は第1世代のTet-Off Systemを示す)。
図2. HEK 293 Tet-Off Advanced Cell Lineを用いたルシフェラーゼ遺伝子の発現誘導
HEK 293 Tet-Off Advanced Cell LineにpTRE-Tight-luciferase vectorを導入し、Dox存在下と非存在下での発現を確認した。Dox非存在下ではルシフェラーゼの高い発現が確認できるが、Dox存在下では基底発現も検出レベル以下であった。