製品説明
DNAメチル化の解析は、近年注目を集めるエピジェネティクス解析の一領域であり、動物ではCpG配列のシトシンがメチル化されることが知られている。特に遺伝子プロモーター領域のCpGアイランドは、そのメチル化状態が遺伝子発現制御に関与している場合があり、主要な解析対象領域となっている。解析にはバイサルファイトシーケンスなど様々な手法が用いられている。
EpiScope Methylated HCT116 gDNA(製品コード 3522)は、HCT116細胞(Human colon cancer細胞株)由来のゲノムDNAをCpG methylaseを用いて高度にメチル化したものである。さまざまなDNAメチル化解析において、ポジティブコントロール(高メチル化DNA)として使用することができる。
EpiScope Unmethylated HCT116 DKO gDNA(製品コード 3521)は、DNMT1(DNA methyltransferase 1)とDNMT3B(DNA methytransferase 3B)をDouble knockoutしたHCT116 細胞由来のゲノムDNAであり、wild type HCT116細胞由来のゲノムDNAと比較してメチル化レベルは極めて低い(5%未満)*。本DNAは、さまざまなDNAメチル化解析においてネガティブコントロール(非メチル、低メチル化DNA)として使用することができる。
* ゲノムワイドなメチル化状態の比較結果であり、特定のゲノム領域においてはこれよりも高い割合でメチル化状態が維持される場合がある。
* 本製品は遺伝子改変したHCT116細胞株より調製したゲノムDNAのため、DNAメチル化状態の詳細は製品ロット毎に異なる場合がある。
用途
以下に示すような各種メチル化DNA解析手法の、ポジティブコントロール(高メチル化)ヒト由来DNA(製品コード 3522)またはネガティブコントロール(非メチル、低メチル化)ヒト由来DNA(製品コード 3521)として使用する。
- バイサルファイトシーケンス
- Combined Bisulfite Restriction Analysis (COBRA)
- Methylated CpG Island Recovery Assay など
保存
-20℃
濃度
100 ng/μl
形状
10 mM |
Tris-HCl (pH8.0) |
1 mM |
EDTA |
起源および調製法
EpiScope Methylated HCT116 gDNA:ヒトHCT116細胞から抽出・精製されたゲノムDNAをCpG methylase(M.Sss I)でメチル化し、フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿により精製
EpiScope Unmethylated HCT116 DKO gDNA:ヒトDNMT DKO HCT 116細胞から抽出・精製したゲノムDNA
品質
●
EpiScope Methylated HCT116 gDNA
ヒト遺伝子
MLH1および
GAPDHのCpGアイランド領域のバイサルファイトシーケンスにより、CpG配列の95%以上がメチル化されていることを確認している。
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EpiScope Unmethylated HCT116 DKO gDNA
EpiScope Promoter qPCR Array (Human)(製品コード 5301)に搭載している25遺伝子のメチル化レベルについて、EpiXplore Methylated DNA Enrichment Kit(製品コード 631962)によるDNAメチル化領域の濃縮とTB Green
Premix Ex Taq GC (Perfect Real Time)(製品コード RR071A/B)
*を用いたqPCRで解析し、何れの遺伝子についても低メチル化状態であることを確認している。
* タカラバイオでは、インターカレーター法のリアルタイムPCR(qPCR)試薬の製品名、コンポーネント名を2017年10月下旬より順次、「TB Greenシリーズ」に名称変更いたします。製品コードや試薬の性能に変更はありません。これまで通りご使用ください。