His60 Ni Magnetic Beadsは、迅速かつ簡便にHisタグ融合タンパク質を分離・精製できる磁気ビーズである。マグネチックセパレーターで分離するため、マイクロスケール量のタンパク質の分離にも適している。改良されたNi-IDAの採用により、高い結合容量を実現しつつ、金属イオンの漏れを防ぎ、高純度なHisタグ融合タンパク質を精製できる。精製タンパク質は少容量(50~200 μl)で溶出されるため、高濃度なサンプル(<3 mg/ml)を調製することができる。His60 Ni Magnetic Beadsは5%の懸濁液として供給され、懸濁液1 ml当たりのタンパク質結合容量は1.65 mgである。
マイクロスケールでの精製はタンパク質の発現スクリーニングやタンパク質間相互作用の解析に適している。さらに、His60 Ni Superflow Resin(製品コード 635659など)を用いた精製工程にスムーズにスケールアップすることができる。
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Lane M:Spectra Multicolor Broad Range Protein Ladder
Lane 1:ライセート上清
Lane 2:フロースルー
Lane 3:洗浄1回目
Lane 4:洗浄2回目
Lane 5:洗浄3回目
Lane 6:溶出1回目
Lane 7:溶出2回目
Lane 8:溶出3回目
Lane 9:溶出4回目
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図1. His60 Ni Magnetic Beads による非変性条件下でのHisタグ融合タンパク質の精製
6×His融合AcGFP1を発現する大腸菌から調製した細胞ライセート上清 400 μlをHis60 Ni Magnetic Beadに添加し、30分間結合させた。ビーズをWash Buffer 500 μlを用いて3回洗浄後、Elution Buffer 100 μlで4回の抽出を行った(BufferはHis60 Ni Buffer Setを使用。Wash Bufferは同SetのElution BufferとEquilibration Bufferを混合して作成)。各サンプルから10 μlを取り、12% SDS-PAGEにより解析を行った結果を示す。
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Lane M:Spectra Multicolor Broad Range Protein Ladder
Lane 1:ライセート上清
Lane 2:フロースルー
Lane 3:洗浄1回目
Lane 4:洗浄2回目
Lane 5:洗浄3回目
Lane 6:洗浄4回目
Lane 7:溶出1回目
Lane 8:溶出2回目
Lane 9:溶出3回目
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図2. His60 Ni Magnetic Beads による変性条件下でのHisタグ融合タンパク質の精製
6×His融合AcGFP1を発現する大腸菌から調製した細胞ライセート上清 500 μlをHis60 Ni Magnetic Beadに添加し、30分間結合させた。ビーズをEquilibration Buffer 500 μlを用いて3回洗浄後、Wash Buffer 500 μlで1回洗浄し、Elution Buffer 50 μlにより3回の抽出を行った(すべてのバッファーには8M尿素を添加)。各サンプルから10 μlを取り、4-20% SDS-PAGEにより解析を行った結果を示す。