Illumina社NGSプラットフォームのためのcDNA調製キット(超微量対応)

  • イルミナ社次世代シーケンス解析のためのcDNA調製キット
  • 細胞やtotal RNAから簡単、シンプルな1チューブプロトコール
  • 1細胞または10 pgのtotal RNAから超高感度cDNA調製
  • サンプル液量は9 μlまで持ち込み可能なので濃度が薄く液量の多いサンプルにも対応
  • 高品質のRNA-Seqデータを取得可能
    -完全長遺伝子解析により全トランスクリプトーム情報を取得
    -5’端、3’端でのcDNA合成のバイアスがない
    -rRNA配列の混入は2%以下
    -エキソンを幅広くカバー
    -高い相関性(ERCC correlation)
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
634828

CLN

Clontech
SMARTer® Ultra® Low Input RNA for Illumina® Sequencing - HV
96回 ¥1,500,000
在庫に限りのある製品の為、数量と納期はご相談下さい。 説明書・データシート・ベクター情報
Z4828N
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製品説明

SMARTer Ultra Low Input RNA for Illumina Sequencing - HVは、非常に少量の細胞やtotal RNAからのトランスクリプトーム解析(RNA-Seq)用のライブラリー作製に有用なcDNA調製キットである。本製品は、わずか1~1,000個の細胞、またはごく微量のtotal RNA(10 pg~10 ng)からのcDNA調製に適している。調製されたcDNAは、イルミナ社のNextera DNA sample preparation kit(クロンテックの改良プロトコール使用)を用いてライブラリーを作製し、Genome Analyzerシステム、HiSeqシステム、MiSeqシステムで使用することができる。

本製品はoligo dTプライマーを利用しており、分解の少ない質のよいRNA(RIN>8)、または損傷のないインタクトな細胞をサンプルとして使用する。1~9 μlのサンプル量が使用可能であるため、濃度の薄いRNAサンプルやソーティングにより液量が増えた細胞サンプルも使用可能である。

SMART technology

SMART(Switching Mechanism At the 5’End of the RNA Template)技術は、遺伝子の全長をカバーでき、遺伝子の全長解析、スプライスジャンクション解析、細胞中でのスプライシング現象の解析など、トランスクリプトーム解析において威力を発揮する優れた技術である。

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図1. シーケンス解析までの流れ

極微量RNAからの遺伝子発現データはqPCRデータと強い相関性を示す

MicroArray Quality Control(MAQC)プロジェクトからのUniversal Human Reference Total RNA(UHR)とHuman Brain Reference RNAの各1 ngを、SMARTer Ultra Low RNA Kitを用いたシーケンスデータの発現比較と、定量PCR(qPCR)による発現比較をスキャッタープロットにより解析した。
約700種の遺伝子の発現差では相関係数0.94を示し、本製品により調製されたcDNAのシーケンス結果は他の遺伝子発現技術の結果とよく一致した(図2)。


図2. 極微量RNAを用いたcDNAシーケンス解析結果と定量PCR結果の相関性

SMARTer Ultra Low RNAで増幅したcDNAの電気泳動

さまざまな量のUniversal Human Reference Total RNA(UHR)とHuman Brain Reference RNAからSMARTer cDNA合成を行い、合成されたcDNAの純度と合成量をAgilent 2100 バイオアナライザーを用いて解析した(図3)。合成cDNAは0.4~9 kbにわたって分布しており、最も高いピークは2 kb前後に確認された。ネガティブコントロールでは増幅は確認されなかった(ピンク)。広範囲のRNA量(例:1 ng~0.01 ng)から、PCRサイクル数を調整することにより、同程度のcDNAを調製することができる。


図3. さまざまなRNA量から合成したcDNAの電気泳動

遺伝子カバー率

SMARTer Ultra Low RNA Kitを用いて1 ngから0.01 ngのmouse brain total RNAからcDNAライブラリーを作製しシーケンス解析を行った時の転写領域の平均リード数を比較した(図4)。


図4.インプットRNA量と転写産物領域の比較
X軸は、各遺伝子長を100%として表し、数値0は遺伝子転写産物の5’端を、数値100は3’端を示している。Y軸は、脳組織で中程度から高発現の724遺伝子について、その平均転写産物のカバー率を示す。本キットにより作製されたcDNAライブラリーでは、使用RNA量に関らず、遺伝子のほぼ全領域をカバーしており、5’端や3’端でのcDNA合成のバイアスは見られない。

内容

BOX1
SMARTer II A Oligonucleotide(24 μM)
Control Total RNA (1 μg/μl)
BOX2
3’SMART CDS Primer II A(24 μM)
IS PCR Primer(12 μM)
5×First-Strand Buffer(RNase-Free)
SMARTer dNTP Mix(dATP, dCTP, dGTP, and dTTP, each at 20 mM)
Dithiothreitol(DTT; 100 mM)
SMARTScribe Reverse Transcriptase(100 U/μl)
Nuclease-Free Water
RNase Inhibitor(40 U/μl)
Dilution Buffer
Purification Buffer(10 mM Tris-Cl, pH 8.5)
Advantage 2 PCR Kit(製品コード 639207)
50×Advantage 2 Polymerase Mix
10×Advantage 2 PCR Buffer
10×Advantage 2 SA PCR Buffer
50×dNTP Mix(10 mM each)
Control DNA Template(100 ng/μl)
Control Primer Mix(10 μM each)
PCR-Grade Water

保存

SMARTer II A Oligonucleotide(24 μM)、Control Total RNA(1 μg/μl):-70℃
Dilution Buffer:-20℃(融解後は4℃保存)
Purification Buffer:-20℃(融解後は室温保存)
その他のコンポーネント:-20℃

本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)

下記の製品は本キット中に含まれません。下記の製品はユーザーマニュアルに記載のProtocolで使用できることが確認されています。他製品では代替はできないため、ご注意ください。
  • シングルチャンネルピペット: 10 μl、20 μlおよび200 μl 各1本
  • 8連チャンネルピペット: 20 μl、200 μl 各1本
  • フィルターピペットチップ: 10 μl、20 μlおよび200 μl 各1箱
PCR 増幅およびバリデーション
  • First-Strand cDNA 合成専用のPCR サーマルサイクラー
  • High Sensitivity DNA Kit(Agilent社 Code. 5067-4626)
  • IsoFreeze Flipper Rack(MIDSCI社 Code. TFL-20)
  • IsoFreeze PCR Rack(MIDSCI社 Code. 5640-T4)
  • Nuclease-free thin-wall PCR tube(0.2 ml ; USA Scientific社 Code. 1402-4700)
  • Nuclease-free nonsticky 1.5-ml tube (USA Scientific社 Code. 1415-2600)
SPRI Bead精製
  • Agencourt AMPure PCR Purification Kit(5 ml; Beckman Coulter社 Code. A63880、60 ml ; Beckman Coulter社 Code. A63881)
  • MagnaBot II Magnetic Separation Device(プロメガ社 Code. V8351)
    1回目の精製において使用する。
  • Magnetic Stand-96(Ambion社 Code. AM10027)
    2回目の精製において使用する。
  • 96-well V-bottom Plate (500 μl)(VWR(Axygen)社 Code. 47743-996)
  • MicroAmp Clean Adhesive Seal(ABI社 Code. 4306311)
  • 80% Ethanol
シーケンスライブラリー作製
  • Covaris社 DNA Shearing装置

用途

少量total RNA、および細胞サンプルを用いたIllumina社Genome Analyzer、HiSeqシステム、 MiSeqシステムによる次世代シーケンス解析のためのcDNA合成、ライブラリー作製
注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
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