製品説明
NucleoSpin Blood L Vacuumは、2 ml全血から吸引法により高純度ゲノムDNAを精製するキットである。NucleoVac 96 Vacuum Manifold(製品コード 740681)とStarter Set Midi(製品コード 740744)を使用して、時間と手間のかかる遠心操作を必要とせず、24サンプルの同時処理が行える。
精製操作は、カオトロピック塩を含む溶液中で血液サンプルをProteinase Kで溶解し、結合バッファーを加えた後、カラムへアプライする。カラムの洗浄後、DNAを溶出する。通常、全工程はおおよそ75分間で終了する。
このキットは、新鮮EDTA血、クエン酸血や他の抗凝固剤処理血に使用できるだけでなく、凍結血液サンプルにも使用できる。
Starter Set Midiは、手動と自動の吸引法に対応したSBS規格に合致したカラムホルダーのColumn Holder Midi、Wash Plate MidiとElution Tube Holder Midiを含んでおり、NucleoVac 96 Vacuum Manifoldを用いて NucleoSpin Blood L Vacuumを使用する際に必要である。また、この製品は24に満たないサンプル数に対応するためのdummy stripsも含んでいる。
原理 |
シリカメンブレン法 |
形状 |
Midiスピンカラム |
サンプル量 |
全血:1~2 ml |
精製サイズ |
200 bp~約50 kb |
回収量 |
50~80 μg(2 ml 全血) |
A260/280 |
1.6~1.9 |
回収濃度 |
100~130 ng/μl |
溶出液量 |
300 μl×2 |
精製時間 |
75分 |
結合容量 |
250 μg |
内容
・Lysis Buffer BLV
・Binding Buffer BLV2
・Wash Buffer BLV3
・Wash Buffer BLV4 (Concentrate)
・Elution Buffer BLV5*
・Liquid Proteinase K
・NucleoSpin Blood L Columns
・Collection Tubes (1.5 ml)
・Lysis Block
・Sample Waste Block
* 5 mM Tris/HCl, pH8.5
保存
NucleoSpin Blood L Columns:4℃
その他:室温
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
試薬
・96~100%エタノール
・PBS
器具
・NucleoVac 96 Vacuum Manifold(製品コード 740681)
・Starter Set Midi(製品コード 740744)
・振盪恒温槽
・ピペット
・ピペットチップ(滅菌済)
操作手順
血液サンプル 1~2 ml/Lysis Block | 【サンプルの溶解】 |
↓ |
| 【DNAの結合】 |
↓ | |
| 【洗浄】 |
↓ | |
| 【乾燥】 |
↓ | |
| 【DNAの溶出】 |
図1.新鮮血、凍結血からのDNA精製
DNAは、各サンプル中のリンパ球数に依存し、健常人血液1 ml当り20~30 μgが回収できる。
NucleoVac 96 Vacuum Manifold と Starter Set Midiを使用し、キット標準プロトコールに従って2 mlの新鮮な血液サンプル及び凍結血液サンプルからNucleoSpin Blood L Vacuumを用いてDNAを精製した。溶出は600 μlで行った。
A)に回収されたDNA量、B)に精製されたDNA純度(A
260/A280)を示す。
図2.2 ml血液から得られた高分子DNAの電気泳動
図1と同じく、24の新鮮または凍結2 ml混合血液サンプルからNucleoSpin Blood L Vacuumを用いてDNAを精製した。精製されたDNAをアガロース電気泳動で解析した。
(A)新鮮血、(B)凍結血からのDNA
図3.NucleoVac 96 Vacuum ManifoldとStarter Set Midiの使用時のコンタミ試験
12の血液サンプルをStarter Set Midiの1つおきに配置して、NucleoSpin Blood L Vacuumを用いてDNAを精製した。精製したDNAを鋳型にqPCRで各カラムのDNA量を検証した。
(A)に配置したサンプルのパターン、(B)にqPCRのCt値を示す。
空カラムからはDNAが検出されず、コンタミが起こらないことが示された。
用途
- ヒト、動物血からのDNA精製
- 新鮮血、凍結血からのDNA精製
- EDTA血、クエン酸血などからのDNA精製
- 精製DNAはPCR、サザンブロッティング、酵素処理などに使用可能
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。