リンパ球分離培地1077は、全血やバフィーコートから細胞生存率を低下させることなくリンパ球を分離するために最適化された滅菌済みのready-to-useな溶液である。本製品はFicoll 400とジアトリゾ酸ナトリウムをベースとしており、最適な生理的パラメーターが得られる。本製品の密度は20℃で1.077 g/mlである。
<リンパ球分離培地1077を用いた細胞分離方法>
本製品の説明書記載の操作に準じて細胞分離を行った。下記に概略を示す。
3 mlのヘパリン採血した血液に等量の0.1%HSA/PBSを添加して2倍に希釈する。
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15 ml遠心管に6 ml LSM 1077を入れ、6 mlの上記の希釈血液を静かに重層する。
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440×
g、40分間遠心分離を行う。
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中間層のバフィーコート層を回収する。
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10 ml 0.1% HSA/PBSを添加、混和する。
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360×
g、10分間遠心分離を行う。
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10 ml 0.1% HSA/PBSを添加、混和する。
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200×
g、10分間遠心分離を行う。
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2 ml 0.1% HSA/PBSを添加、混和する。
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細胞数を計測する。
図. 血液3 mlからの回収細胞数
リンパ球分離培地1077(LSM1077)またはA社試薬を用いて3 mlの血液から細胞分離を行った。血液の希釈および洗浄は各試薬のプロトコルに従い、LSM1077には0.1% HSA/PBSを、A社試薬にはPBSを使用した。LSM1077と0.1% HSA/PBSを用いて細胞分離を行った場合、A社試薬を用いた場合の約2倍の細胞を回収することができた。LSM1077は希釈・洗浄にPBSを用いると回収細胞数が減少したものの、A社試薬と比較すると多くの細胞を回収することができた。