製品説明
NucleoSpin RNA Stoolは、新鮮および凍結糞便サンプルからsmall RNAを含むRNAを効率よく抽出するキットである。
本キットはMN Bead Tubes Type A(セラミックビーズを含む)による物理的な破砕とフェノールを含むNucleoZOLと専用の溶解バッファーLysis Buffer RST1による化学的な溶解を組み合わせて、微生物を含む糞便サンプルを効率的に溶解する。溶解液からは、付属のNucleoSpin Inhibitor Removal Columnによって、糞便サンプル中に含まれる逆転写反応やPCRの阻害物質を効果的に除去することができる。このろ液からRNA結合性のスピンカラムを用いてsmall RNAを含むtotal RNAを迅速に精製することができ、また、添付のrDNaseでオンカラム処理を行うことにより、DNAの除去を行うことも可能である。
原理 | シリカメンブレン法 |
形状 | ミニスピンカラム |
サンプル量 | 約200 mg(180~220 mg)糞便(新鮮便、凍結便) |
精製サイズ | >18 bases |
回収量 | 10~30 μg |
A260/280 | 1.9~2.1 |
A260/230 | 1.8~2.5 |
標準的RIN値 | >7.5 |
溶出量 | 100 μl |
精製時間 | 70分/10サンプル |
結合容量 | 200 μg |
操作手順
用途
- 糞便サンプルからのRNA精製
- 精製RNAはリアルタイムRT-PCR、ノーザンブロッティング、primer extension、マイクロアレイ解析、RNase protectionアッセイ、次世代シーケンスなどに使用可能
ヒト糞便からのRNA抽出
NucleoSpin RNA Stoolおよび他社キット(Q, Z)を用いて2種類のヒト糞便サンプルから糞便採取後4時間以内にDNase処理を含むプロトコールでRNA抽出を行った。
NucleoSpin RNA Stoolは 200 mgのヒト糞便サンプルから、他社のキットは250 mgのヒト糞便サンプルからそれぞれのプロトコール通りの方法で行った。
Q社のプロトコールはオプションのフェノールベースの溶解ステップも行った。
各試料からそれぞれ3回に抽出を行い、RNAの収量(A)、逆転写qPCRの結果(B)を比較した。
RNA収量の比較では、NucleoSpin RNA Stoolを使用した場合に最も収量が良く、20~60%高い収量が得られることが分かった。(マッハライ・ナーゲル社比較データ)
逆転写qPCRにおいてもNucleoSpin RNA Stoolで回収したRNAは、もっともCp値が低くなり、他社キットに比べて良好な結果が得られた。なおこの実験の際にはすべてのキットで100μlでカラムより溶出を行った。(マッハライ・ナーゲル社比較データ)
内容
・NucleoZOL
・Lysis Buffer RST1
・Binding Buffer RST2
・Wash Buffer RST3
・Wash Buffer RST4
・Wash Buffer RST5(Concentrate)
・RNase free H2O
・Reaction Buffer for rDNase
・rDNase, RNase free(凍結乾燥品)
・MN Bead Tubes Type A
・NucleoSpin Inhibitor Removal Column(赤リング)
・NucleoSpin RNA Stool column(青リング)
・Collection Tubes(2 ml)
・Collection Tubes(2 ml、蓋付)
保存
rDNase、RNase-free (凍結乾燥品):4℃
その他:室温
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
- 試薬
- ・96~100%エタノール
- 器具
-
・1.5 mlマイクロチューブ
・2.0 mlマイクロチューブ
・Collection Tubes (2 ml)(オプション)
・ピペットチップ(滅菌済)
・ピペット
・微量高速遠心器
・推奨細胞破砕装置:
Vortex-Genie 2(サイエンティフィックインダストリーズ社)+MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)
撹拌式細胞破砕装置(Retsch社 MM200など)

MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)
この製品の使用方法は
こちらをご覧ください。
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。