phi29 DNA Polymerase

ローリングサークル増幅・全ゲノム増幅向けDNA合成酵素
  • 高い鎖置換活性と優れたプロセシビリティ
  • 30℃で長鎖DNAテンプレートを正確かつ効率的に増幅可能な野生型酵素
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
RR340A

TKR

タカラバイオ(株)
phi29 DNA Polymerase
NEW
250 U ¥13,000
説明書・データシート・ベクター情報
RR340A
3807

TKR

タカラバイオ(株)
3' Phosphorothioate-modified Random Hexamer
NEW
50 μl ¥8,000
説明書・データシート・ベクター情報
3807
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製品説明

phi29 DNA PolymeraseはBacillus subtilis phage phi29を由来とするDNAポリメラーゼです。本酵素は30℃付近で活性を示し、高い鎖置換活性による等温増幅と3’-5’エキソヌクレアーゼ活性による高い正確性が特徴であり、RCA(Rolling Circle Amplification)法やWGA(Whole Genome Amplification)などに使用できます。
増幅反応には、phi29 DNA Polymeraseの3’-5’エキソヌクレアーゼ活性によるプライマーの分解を防ぐため、3’末端が保護修飾された3' Phosphorothioate-modified Random Hexamer(製品コード 3807)のご使用をお勧めします。使用例をご参照ください。



図1. さまざまなタイプのDNAの増幅

phi29 DNA Polymerase(製品コード RR340A)および3' Phosphorothioate-modified Random Hexamer(製品コード 3807)を用いて、HL60 gDNA、M13 mp18 Single Strand DNA、pUC19 plasmid DNAを鋳型として増幅反応を行った。各DNA鋳型は反応液中にそれぞれ5 ng、0.5 ng、50 pg、5 pgずつ添加し、反応条件は30℃で2時間とした。増幅反応後、電気泳動を行った。
その結果、HL60 gDNAおよびM13 mp18 Single Strand DNAでは鋳型DNAの添加量が5 pg~5 ngの範囲で増幅可能であり、pUC19 plasmid DNAは50 pg~5 ngの範囲で十分な増幅が可能であることが示された。




図2. 反応時間とDNA収量

phi29 DNA Polymeraseおよび3' Phosphorothioate-modified Random Hexamerを用いて、pUC19 plasmid DNAを鋳型として増幅反応を行った(N=2)。pUC19 plasmid DNAは反応液中に0.5 ng添加し、反応条件は30℃で2、4、6、8、16時間とした。反応後、1反応当たりのDNA収量を測定した。
その結果、2時間でも十分な収量は得られたが、より高収量を得たい場合は反応時間を延長(4~16時間)にするとよいことが示された。



(A)


M :λ Hind III Marker
NCT :鋳型DNAを含まない反応液
※0.7% TAE アガロースゲルを使用し、各反応液を5 μlずつアプライした。


(B)


図3. DNA増幅収量(他社比較)

phi29 DNA Polymerase(Takara)および他社のphi29 DNA Polymeraseを用い、pUC19 plasmid DNA(5 ng、0.5 ng、50 pg、5 pg)を鋳型として、各社の推奨プロトコールに従った反応条件のもと、DNA増幅を行った。

(A)2時間の反応後、電気泳動を行い増幅したDNAを確認した。
その結果、phi29 DNA Polymerase(Takara)は、他社の酵素と比べてより少ない鋳型量で高いDNA収量が得られ、反応液に鋳型を含まないNTCの増幅は確認されなかった。一方で、感度の高い他社酵素もあるが、いずれもNTCにおいてDNA増幅が確認された。

(B)0.5 ngのpUC19 DNAを鋳型とした増幅反応2時間後および4時間後に、反応液20 µl当たりのDNA収量を測定した。
その結果、phi29 DNA Polymerase(Takara)は高いDNA収量を得られることを確認した。また、そのDNA収量は他社の変異体酵素にも匹敵するということが示された。

内容

phi29 DNA Polymerase(製品コード RR340A)
横にスクロールできます
phi29 DNA Polymerase 250 U
10× phi29 DNA Polymerase Reaction Buffer250 μl
dNTP Mixture100 μl

保存

-20℃

濃度

10 U/μl

起源

Escherichia coli carrying a plasmid containing the gene for phi29 DNA Polymerase

一般的性質

質量:約67.7 kDa

活性の定義

30℃において10分間に20 pmolのdNTPを酸不溶性沈殿物に取り込む酵素量を1 Uとする。

熱失活条件

65℃、10分間

活性測定用反応液組

50 mM Tris-HCl (pH7.5 at 25℃)
10 mM (NH4)2SO4
20 mM MgCl2
4 mM DTT
0.1 mg/ml BSA
各 200 μM dATP・dGTP・dCTP
100 μM dTTP
10 μCi [3H]-dTTP
0.25 mg/ml 活性化サケ精子 DNA

品質管理データ

性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。
CoAはこちらからダウンロードできます。

用途

  1. RCA (Rolling Circle Amplification)
  2. WGA (Whole Genome Amplification)

使用上のご注意

  1. 本酵素の激しい攪拌は行わないでください。
  2. 本製品を使用する際は、DNA汚染によるコンタミを防止するために実験台や実験器具を水拭きし、クリーンベンチ内で作業することをお勧めします。
  3. 本酵素を室温で放置すると酵素活性が低下する場合があります。使用する際は氷上において使用してください。

使用例

  1. 以下の試薬を調製する。
    横にスクロールできます
    試薬濃度使用量終濃度
    Nuclease-free water-x μl-
    10×phi29 DNA Polymerase Reaction Buffer10×2 μl
    3' PS-modified Random Hexamer*1、2500 μM2 μl50 μM
    dNTP Mixture各10 mM4 μl各2 mM
    DNA template*3-0.5 ng25 pg/μl
    Total19 μl 
  2. 95℃で5分間加熱後、氷上で2分間冷却する。
  3. 10 U/μlのphi29 DNA Polymeraseを1 μl*4添加し、優しく混合する。
  4. 30℃で2時間*5反応させる。

    *13' Phosphorothioate-modified Random Hexamer(製品コード 3807:別売り)のコンポーネント。

    *2 特異的プライマーを使用する場合(例:終濃度 各5 μM)は、phi29 DNA polymeraseの3’-5’エキソヌクレアーゼ活性によるプライマーの分解を防ぐために3’末端が保護修飾されたプライマーを高く推奨します。

    *3 プラスミドDNA、ゲノムDNA、一本鎖DNAを鋳型として使用可能です。
    それぞれの推奨濃度は以下のとおりです。
    プラスミドDNA 50 pg~5 ng/rxn
    ゲノムDNA 5 pg~5 ng/rxn
    一本鎖DNA 5 pg~5 ng/rxn

    *4 使用量を上げる(例:20 U)ことで、より高収量が得られる場合があります。

    *5 反応時間を延長する(4~16時間)ことで、より高収量が得られる場合がありますが、鋳型を添加しないサンプルにおいても非特異的増幅が起こる可能性があります。
注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
  • タカラバイオの承認を得ずに製品の再販・譲渡、再販・譲渡のための改変、商用製品の製造に使用することは禁止されています。
  • タカラバイオ製品に関連するライセンス・パテントについては、ライセンスマークをクリックして内容をご確認ください。
    また、他メーカーの製品に関するライセンス・パテントについては、各メーカーのウェブサイトまたはメーカー発行のカタログ等でご確認ください。
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