レンチウイルスベクターによる遺伝子導入 <製品選択ガイド>

目的遺伝子を搭載したpLVSINレンチウイルスベクタープラスミドの構築

Lentiviral High Titer Packaging Mix(製品コード 6194)

  1. プラスミドDNAを増幅する場合には、大腸菌宿主株、例えばE. coli HST08 Premium Electro-Cells(製品コード 9028)などに導入し、市販のプラスミド精製キットを用いて精製する。
  2. 標準的なクローニング技術を用いて、目的の遺伝子コード配列をpLVSINレンチウイルスベクタープラスミドのマルチクローニングサイト(MCS)に挿入する。また、In-Fusion HD Cloning Kit w/Cloning Enhancer(製品コード 639634など)も使用できる。このキットを用いると、PCR 産物をどのような直鎖状ベクターにも容易にクローニングできる。
    目的遺伝子配列(cDNAあるいは遺伝子断片)はATG開始コドンと終始コドンを含む配列で挿入する。Kozak consensus ribosome binding site(Kozak, 1987)を付加すると発現レベルが向上する可能性がある。一方、遺伝子断片あるいはcDNAにポリAシグナルは不要である。このような配列をウイルスLTR間に挿入すると、ウイルスゲノムの転写過程で未成熟の分解とポリA化が起こり、機能的な組換えビリオン(ウイルス粒子)の産生が妨げられることがある(Coffin et al .,1997)。
  3. パッケージング細胞のトランスフェクションに適したグレードのプラスミドDNA調製を行う。
    (参考)NucleoBond Xtra Midi/Maxi(製品コード 740410.10、740414.10など)の使用を推奨する。また、同キットを用いた場合でも、取得したプラスミドDNAを14,000×gで10分間遠心し、その上清をプラスミドDNA溶液として回収することで、トランスフェクションに適した、さらに高純度のプラスミドDNA溶液の取得が可能である。

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