ゲノム編集ガイド

ゲノム編集を強力に支えるサポートツール

ゲノム編集とは?

ゲノム編集とは文字通り、「ゲノム=全遺伝情報」に対して「編集=改変」を行う技術です。ゲノム上の任意の箇所に対し、ノックアウトやノックインを“自由自在”に、しかも効率よく行うことができるため、今やライフサイエンス分野においてなくてはならない技術となっています。
ゲノム編集は、ゲノム上の改変を行いたい箇所をピンポイントで切断することからスタートします。切断が起こると生物はそれを修復しますが、その修復システムをうまく利用することでノックアウト、およびノックインが行えます。
ゲノム編集に利用される修復システムは、主に2つあります。
一つが、非相同末端結合(non-homologous end joining;NHEJ)と呼ばれる修復です。この修復が起こる際にある一定の割合で、切断箇所を中心に、塩基の欠失や挿入など、いわゆるInDelと呼ばれる修復エラーが発生します。このInDelが起こると、フレームシフトが起きて3塩基で1アミノ酸を指定する“暗号”の読み枠がずれ、その遺伝子がコードするタンパク質が正常に作られなくなり機能を失うことで、ノックアウト状態となります。
もう一つが、ノックインの場合に利用される、相同組換(homology-directed repair;HDR)という修復システムです。ゲノム上のノックインしたい部分の左右と同じ配列(相同配列)、および新規に挿入したいフラグメント配列から成る“ドナーDNA”を反応系に加えておくと、切断後、ドナーDNAの相同配列を参照しながら修復を行うため、結果、狙った箇所に新規フラグメントがノックインされます。
ゲノム編集のスタートとなるゲノムの切断システムとして、zinc finger nuclease、TALEN、CRISPR/Cas9などがありますが、扱いやすさと効率の良さから、現在CRISPR/Cas9が主流となっています。
タカラバイオでは、CRISPR/Cas9用のゲノム編集関連製品「Guide-itシリーズ」を取り扱っており、ゲノム編集の上流から下流まで手厚くサポートいたします。

ゲノム編集とは

Guide-itシリーズ

タカラバイオでは、ゲノム編集を効率的に実施するために必要なツールを『Guide-itシリーズ』として幅広くご用意しています。また、細胞のゲノム編集受託サービスをご提供しています。

ゲノム編集 -CRISPR/Cas9-

実験フロー トレンド おススメの組合せ 製品紹介 受託サービス クロンテック通信
実験フロー ガイドRNA設計、細胞への導入、クローニング/スクリーニング、シーケンス
横にスクロールできます
トレンド
Off-Target
『オフターゲット効果』とは
「Off-target効果」とは、標的配列(On-target)とは異なる別のゲノム領域(Off-target)に変異が導入されることです。ゲノム編集で考慮すべき重要事項の1つがこのOff-target効果です。Off-target効果を最小限に抑えるには、Cas9タンパク質とsgRNAの複合体(RNP:Ribonucleoprotein)を直接細胞に導入する方法が有効であり、既に、数多くの論文が報告されています。
参考文献
1. High-frequency off-target mutagenesis induced by CRISPR-Cas nucleases in human cells
2. Highly efficient RNA-guided genome editing in human cells via delivery of purified Cas9 ribonucleoproteins

★関連受託サービス:ゲノム編集オフターゲット領域解析
Off-Target
Cas9タンパク質とsgRNAの複合体(RNP)を“直接”導入
RNPは細胞導入直後からDNA切断活性が“アクティブ”なため、速やかに標的配列を切断することが可能です。また、RNPは細胞内で速やかに分解されるため、標的配列以外のゲノム上の類似配列の切断(オフターゲット作用)を回避する効果も期待できることから、最近のゲノム編集研究のトレンドになっています。

★関連製品:Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)
 Guide-it Recombinant Cas9 (10 µg/µl)
Off-Target
長鎖ssDNAドナーによるノックイン
ゲノム編集実験で効率のよい長鎖ノックイン実験を行うためのポイントは、ドナーDNAを一本鎖DNA(ssDNA)で用意することです。Guide-it Long ssDNA Production Systemを用いることで、簡単な操作で長鎖(5 kbまで)のssDNAを高収量で調製することが可能です。

★関連製品:Guide-it Long ssDNA Production System v2
Off-Target
ヒトiPS細胞のゲノム編集
ヒトiPS細胞のゲノム編集を行う上での課題として、従来培養法による目的ゲノム編集クローンの単離(シングルセルクローニング)の効率の悪さが挙げられます。DEF-CS培養システムは、他の培養システムよりも高いクローニング効率と未分化性を保持した拡大培養が可能であることが確認されています。また、RNPの直接導入と組み合わせることで効率的なゲノム編集が可能となります。

★関連製品:Cellartis DEF-CS 500 Culture System
おススメの組合せ
 初心者必見!ゲノム編集スタートアップ製品 
 まずはこれだけあればOK!
  ① プラスミド

 + ② 導入試薬

 + ③ ゲノム編集効率確認


Guide-it CRISPR/Cas9 System (Green) / (Red)
標的となるsgRNA配列(20 塩基)をベクターにクローニングするだけで変異導入実験を開始できます。
初めてゲノム編集を行う方でも簡単に実験がスタートできます!
TransIT-X2 Dynamic Delivery System
本試薬を用いることで高効率なプラスミドによるゲノム編集が可能です。
Guide-it Mutation Detection Kit
ゲノム編集後の変異導入効率を迅速・高効率に確認するキットです。
 中級者向け!ステップアップ製品 
 オフターゲット効果が気になる場合、Cas9タンパク質そのものを使用するのがおススメです!
  
① Cas9タンパク質
   ② sgRNA調製
 ①+②でRNPを調製
 + ③ 導入試薬

 + ④ ゲノム編集効率確認


Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl), Guide-it Recombinant Cas9 (10 µg/µl)
Cas9遺伝子を使わないため、遺伝子が残存することでCas9の発現が継続することによるオフターゲット効果を抑制することが期待されます。また、迅速で効率のよい変異導入が可能です!
Guide-it sgRNA In Vitro Transcription Kit
高品質なsgRNAをin vitro transcriptionで簡便に効率よく調製可能です。
TransIT-X2 Dynamic Delivery System
本試薬を用いることで高効率なプラスミドによるゲノム編集が可能です。
Guide-it Mutation Detection Kit
ゲノム編集後の変異導入効率を迅速・高効率に確認するキットです。
製品紹介
横にスクロールできます
Guide-itシリーズのご紹介
ターゲットの選択 ガイドRNAの設計

オンラインツールでPAM配列を含む任意のDNA配列を選択
https://chopchop.cbu.uib.no/
https://benchling.com/(SaCas9のsgRNAの設計が可能)

in vitroでsgRNA合成と有効性を試験 sgRNAを簡便に調製し、in vitroで切断効率を確認
Guide-it sgRNA In Vitro Transcription and Screening System
Cas9/sgRNAの導入 Cas9/sgRNAの導入 sgRNAをクローニングしてCRISPR/Cas9とともに導入
Cas9タンパク質をGesicleで導入するCRISPR/Cas9システム
Guide-it CRISPR/Cas9 Gesicle System
高効率なゲノム編集を実現するCas9タンパク質(NLS付き)
Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)
Guide-it Recombinant Cas9 (10 μg/μl)
アデノ随伴ウイルスベクターによるCRISPR/Cas9システム
AAVpro CRISPR/Cas9
  Helper Free System (AAV2)
(ツーベクタータイプ)
Cas9と蛍光タンパク質を同時に発現するプラスミドベクター
Guide-it CRISPR/Cas9 System (Green)/(Red)
ノックインドナー用長鎖一本鎖DNA(ssDNA)調製キット
Guide-it Long ssDNA Production System v2
Cas9の発現を確認 組換えCas9タンパク質を高感度に検出
Guide-it Cas9 Polyclonal/Monoclonal Antibody
ゲノム編集効率(Indels)のモニター 高性能Resolvaseによる簡便かつ高感度な変異検出
Guide-it Mutation Detection Kit
限界希釈法やFACSを用いてシングルセルクローンを取得
iPS細胞の高効率な未分化維持と
シングルセルクローニングを可能に
Cellartis DEF-CS 500 Culture System
ゲノム編集クローンのジェノタイピング Cas9の配列特異的DNA切断による簡便ジェノタイピング
Guide-it Genotype Confirmation Kit
ゲノム編集配列の確認 In-Fusionによるシーケンスサンプル調製用All-in-Oneキット
Guide-it Indel Identification Kit
注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
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