B群溶血性連鎖球菌(
Streptococcus agalactiae;GBS)は、グラム陽性細菌で、ヒトの生殖器および腸管の常在菌であるが、出生直後の新生児における敗血症や生後3ヵ月までに見られる髄膜炎、あるいは高齢者の侵襲性感染症等の主な原因菌となっている。培養によるGBS検査では、結果を得るまでに時間がかかること、検出感度が低いことが問題となっている。菌体表層に存在する莢膜が感染の成立に重要な役割を果たし、現在GBSの莢膜型は10種類が報告されている。特に新生児の重篤な髄膜炎や敗血症は、莢膜型Ia型、Ib型、III型が関与することが報告されており、それらの型をタイピングすることが重要になる。
本製品は、
CycleavePCR Streptococcus agalactiae (GBS) Detection Kit(製品コード CY233)を用いた検出でGBSが陽性であったサンプルについて、莢膜型をコードするCPS遺伝子をターゲットとして莢膜型Ia型、Ib型、III型をタイピングするキットである。
検出にはサイクリングプローブ法を採用し、
cps(Ia)遺伝子ならびに
cps(III)遺伝子を検出するためのFAM標識プローブ、
cps(Ib)遺伝子検出用のROX標識プローブが含まれている。二波長を同時にモニタリングすることで、
cps(Ia)遺伝子と
cps(Ib)遺伝子ならびに
cps(III)遺伝子の3遺伝子を、2本のチューブでタイピングすることが可能である。リアルタイム検出なので、電気泳動が不要であり、迅速に結果が得られる。
本製品は、慶應義塾大学医学部感染症学教室 生方公子先生監修の元、リアルタイムPCRを用いてタイピングするためのキットとして開発されました。