Chaperone Competent Cells BL21シリーズ
共発現実験(プロトコール例)
使用する培地には、目的タンパク質発現用プラスミド選択用の薬剤、シャペロンプラスミド選択用クロラムフェニコール(20 μg/ml)およびシャペロンプラスミドの種類に応じたシャペロン誘導物質を添加してください。生育阻害が著しい場合はシャペロン誘導物質を培養開始時から添加することは避け、タンパク質発現誘導時にシャペロン誘導物質も同時に添加してください。
有効なシャペロンの種類や培養条件(培地、培養温度、エアレーション条件、誘導のタイミング、誘導剤の濃度、誘導時間など)は目的タンパク質により異なっています。目的タンパク質に応じて至適条件を検討することをお勧めします。
以下にコールドショックベクターpCold I(製品コード 3361)に目的遺伝子を挿入したプラスミド (アンピシリン耐性) とシャペロンプラスミドの共発現実験例を示します。
- プラスミド選択用に20 μg/mlクロラムフェニコールと50~100 μg/mlアンピシリン、およびシャペロン発現誘導用に0.5~4 mg/ml L-アラビノースおよび (あるいは) 1~10 ng/mlテトラサイクリン*を含むL培地を準備する。pG-KJE8の場合はL-アラビノースとテトラサイクリンの両方、pGro7、pKJE7、pTf16の場合はL-アラビノースのみ、pG-Tf2の場合はテトラサイクリンのみを用いる。
* まずは0.5 mg/ml L-アラビノース、5 ng/mlテトラサイクリンでお試しください。
低濃度のテトラサイクリンは、大腸菌の生育に大きな影響は与えません。
- pCold IとChaperone Plasmidを保持する形質転換体を培地に接種し、37℃で振とう培養する。
- 培養液のOD600が0.4~0.6になった時点で、15℃で30分間放置する。
- 終濃度0.1~1.0 mMとなるようにIPTGを添加し、15℃で24時間振とう培養する。
- 培養終了後、SDS-PAGEや活性測定などにより、目的産物の発現量や可溶性を確認する。
Chaperone Competent Cells BL21シリーズ