DNA抽出法には、NucleoSpin Tissue XSによるカラム精製法とLysis Buffer for
Legionellaによる簡易抽出法の2種類の方法がある。簡易抽出法は、操作が簡便で抽出効率も高いことから、塩素消毒が施された循環式浴槽の検体など汚染の少ない検体に適している。また、泉質によるPCR反応阻害が予想される検体にはカラム精製法が適している。
NucleoSpin Tissue XSを用いた方法(カラム精製法)
- B-7. で加熱殺菌を終えたサンプル全量(55~65 μl)に、それぞれBuffer T1を160 μl加える。軽く混合して、スピンダウンする。
- さらにProteinase K*1を16 μl加える。ボルテックスにて混合(5秒×2)して、スピンダウンする。
- 56℃ 10分間インキュベートする。
- スピンダウンしたサンプルにBuffer B3を160 μl加える。ボルテックスにて混合(5秒×2)して、スピンダウンする。
- 70℃ 5分間インキュベートし、ボルテックスする。
- 各サンプルが室温に戻ったことを確認して、スピンダウンしたサンプルにエタノール(96~100%)を160 μl加え、ボルテックスにて混合(5秒×2)して、軽くスピンダウンする。
- NucleoSpin Tissue XS ColumnをCollection Tube(2 ml)にセットする。
- 6. の溶液をカラムに添加し、11,000×g、1分間遠心する。
- カラムを新しいCollection Tube(2 ml)にセットする。
- カラムにBuffer B5*2を50 μl添加し、11,000×g、1分間遠心する。ろ液を捨てた後、同じCollection Tubeにカラムをセットする。
- カラムにBuffer B5*2を50 μl添加し、11,000×g、2分間遠心する。カラム上に液が残っていないことを確認する。
- カラムを1.5 mlマイクロチューブにセットする。
- カラムにBuffer BEを25 μl添加し、11,000×g、1分間遠心し、DNA溶液を回収する。(溶出1回目)
- 再度、13. の操作を行う。(溶出2回目)
- 得られたDNA溶液の液量がおおよそ50 μlであることを確認する。
*1 Proteinase K(製品コード 740901.50(50回用))の場合:Proteinase K(凍結乾燥品)20 mg(1 vial)に、Proteinase Buffer 1 mlを加え溶解する。溶解後のProteinase K溶液は-20℃で保存する。
*2 Buffer B5 Wash Buffer B5(concentrate)2 mlあたり、8 mlのエタノールを加える。
Lysis Buffer for Legionellaを用いた方法(簡易抽出法)
製品の説明書に従って操作すること。
(1)B-7. で加熱殺菌を終えたサンプル全量(55~65 μl)を15,000 rpm(最高速度)、4℃で5分遠心し、上清を除去する。
(2)(1)の沈殿物にLysis Buffer for Legionella 50 μlを添加し、ボルテックスで軽く混合した後、スピンダウンする。
(3)95℃で10分インキュベートする。
(4)ボルテックスで軽く混合した後、15,000 rpm(最高速度)、4℃で10分間遠心する。
(5)氷上で5分間静置する。
(6)上清25 μlをDNA溶液として回収する。