RNA合成

HQ grade酵素で合成したmRNAの収量、および細胞へのmRNAトランスフェクション

IVT収量(弊社比較データ)
図1.RNA合成収量(IPP添加あり/なしでの比較)
Firefly Luciferase (FLuc) mRNAをコードするDNA(製品コード 6144;構成品のPositive Control Template (FLuc))をin vitro transcription(IVT)の鋳型に用いて、Pyrophosphatase (inorganic), HQ(製品コード 2451A)(以下IPP)の添加あり/なしによるIVTのRNA合成収量への影響を確認した。IVT反応におけるRNA合成酵素としてT7 RNA Polymerase, HQ(製品コード 2542A)を採用し、Cap付与型のmRNA合成時にはCapアナログ:CleanCap Reagent AG (3' OMe)(TriLink社)を使用した。IVT反応系へのIPP添加量は、終濃度として0.005 U/μlもしくは0.01 U/μlとなるように調製した。
結果として、Capあり/なしにかかわらず、IPPの添加によって2倍程度高いRNA合成収量を得られることが示された。
IVT収量(弊社比較データ)
図2.HQグレード製品で合成したIVT RNA(FLuc)の細胞内発現量比較
各種IVT RNA(FLuc mRNA配列、図1.参照)を合成後、得られたmRNAの各0.5 μgをTransIT-mRNA Transfection Kit(製品コード MIR2225ほか)を用いてHEK293T細胞にトランスフェクションし、24時間後のFLuc活性を測定した(24 wellスケールで検討)。
CleanCapありのIVT反応液で合成されたFLuc mRNA (Cap-1 FLuc mRNA) は、IPP添加量に関わらず細胞内で効率良く翻訳されていることが確認された(注釈:IPP添加量がRNA qualityに影響を及ぼすことはない)。一方、CleanCapなしのIVT反応液で合成されたFLuc RNAでは活性はほぼ認められず、細胞内でのmRNAのタンパク質への効率的な翻訳および分解制御におけるCapの重要性が示された。