特長
- タカラバイオで製造した遺伝子治療用ウイルスベクターを対象に品質分析サービスを提供
- 高品質な分析と製剤処方開発サービスを提供する株式会社ユー・メディコでの実施
概要
ウイルスベクターや腫瘍溶解性ウイルスは生体内での遺伝子導入における有望なプラットフォームの一つである一方、その構造や作用機序の複雑性から、品質分析には高い専門性と種々の物理化学的解析が求められます。株式会社ユー・メディコを通じて、超遠心分析(Analytical Ultracentrifugation:AUC)、質量分析、粒子・凝集体評価等の物理化学的解析において高い品質分析サービスをご提供いたします。
サービス内容
- 完全粒子/空粒子比率決定
アデノ随伴ウイルス(Adeno-associated virus:AAV)ベクターをはじめとしたウイルスベクターや、腫瘍溶解性ウイルスを用いた遺伝子治療薬の目的物質には、核酸を有するウイルス粒子(完全粒子)だけでなく、内部に核酸を持たない空粒子や、断片化された核酸を内包した中間粒子が含まれている可能性があり、安全性への懸念が指摘されています。
本サービスでは、AUCにより、サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography:SEC)や動的光散乱法(Dynamic Light Scattering:DLS)といった手法では難しい完全粒子と空粒子を分離定量することが可能です。
Optima AUC
- 凝集体定量
凝集体や不溶性微粒子は、免疫反応に影響を与える可能性があることから、開発段階に応じた適切な規格および試験方法を設定する必要があります。
本サービスでは、AUCやフローイメージング法など、サイズに応じた手法を用い、凝集体や不溶性微粒子を高い分解能で検出します。
FlowCam 8100
- 同一性/純度
ウイルスを構成するタンパク質(Viral Protein:VP)はウイルスベクターの生物活性や免疫原性、安定性に寄与することが知られており、AAVに含まれる3種類のタンパク質(VP1、VP2、VP3)の比率や構造の確認が必要とされています。本サービスでは、逆相クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によるインタクト質量分析や、LCタンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いたペプチドマッピング等を実施することにより、AAVのVP比や翻訳後修飾などを明らかにします。
Q Exactive Plus with Vanquish
その他、物理化学的解析を中心に幅広い品質分析サービスをご提供いたします。
品質特性 |
項目 |
有効性成分含量 |
ベクターゲノム濃度 |
粒子濃度 |
遺伝子導入効率 |
同一性 |
タンパク質一次構造 |
ベクターゲノム |
ゲノム完全性 |
純度 |
VP比 |
完全粒子/空粒子比率 |
翻訳後修飾 |
ご注文方法