本製品は、出芽酵母
Saccharomyces cerevisiaeの形質転換体から、選択マーカー
AUR1-Cを含む不用な配列を除去するためのDNA配列を組み込み、簡単な方法でマーカー除去クローンを優先的に選別できるよう構築されたシャトルベクターである。pAUR135には、形質転換体選択マーカーとしての
AUR1-C遺伝子と、マーカー除去株選別用としてのGAL10プロモーターに連結したGIN11M86配列が含まれている。
AUR1-Cは、実験室酵母、野生型酵母、実用酵母を問わず、
S. cerevisiaeにAureobasidin A(AbA)耐性を付与する遺伝子である。GIN11M86は高発現にすると生育阻害を引き起こす自殺活性を有している。
pAUR135による形質転換で得られたAbA耐性の形質転換体をガラクトース培地に移すと、GAL10プロモーター活性が誘導され、GIN11M86が高発現となる。このとき、GIN11M86を含むほとんどの形質転換体が生育阻害を受けるが、低頻度の相同組換えにより生じた
AUR1-Cマーカーを含むベクター領域が除去された株のみが優先的に生育してくる。これには、AbA感受性の目的の形質転換体と元に復帰した株とが含まれる。したがって、pAUR135は再び形質転換に使用できる。また、
AUR1-Cマーカーだけでなくベクター配列も除かれるため、実用酵母の育種において不用配列が残る不安を軽減できる。pAUR135は、変異導入や遺伝子機能の破壊などに使用できる。
Aureobasidin A(オーレオバシジンA)耐性酵母形質転換システム まとめページは
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