製品説明
本製品は、PCR法を用いてO-157:H7をはじめとする腸管出血性大腸菌(EHEC)のベロ毒素遺伝子を特異的に増幅することにより、EHECを簡便に検出するためのOne Shot PCRキットである。PCRに必要な試薬全てが0.2 ml PCR tubeに分注されており、サンプルDNAを入れるだけでPCRを開始することができる。また、DNAポリメラーゼにホットスタートタイプで増幅効率に優れたTaKaRa Ex Taq HSを用いることにより、短時間でより高感度かつ安定した検出が可能になった。
さらに、反応阻害等による偽陰性を防ぐため、各tubeにはPCRのポジティブコントロールとなるControl Template EC3が含まれている。このテンプレートを鋳型にした場合の増幅産物は、ベロ毒素遺伝子由来の増幅産物とサイズが大きく異なるので、電気泳動による判定を容易に行うことができる。
内容
(48回用)
2×One Shot PCR solution tube | 25 μl×48 |
(無色の0.2 ml PCR tubeに分注済) |
|
保存
-20℃
各tubeにはTaKaRa Ex Taq HSが含まれているので、激しい撹拌操作や凍結融解は避ける。
また凍結融解により反応性が低下する場合があるので、使用するtubeのみ融解すること。
キット以外に必要な試薬、機器
本キットを用いた検出過程では、さらに次のような試薬、機器を必要とする。
【試薬】
- 滅菌精製水
- アガロースゲル
PrimeGel Agarose PCR-Sieve(製品コード 5810A)
- 電気泳動用 buffer
Tris-Acetate-EDTA Buffer (TAE) 50×Powder, pH8.3(製品コード T9131)
またはTBE (Tris-borate-EDTA) powder(製品コード T905)
- DNAマーカー
pHY Marker(製品コード 3404A/B)
またはφ X174-Hinc II digest(製品コード 3406A/B)
または100 bp DNA Ladder(製品コード 3407A/B)
- Loading buffer(6× : 36% glycerol, 0.05% bromophenol blue, 0.035% xylene cyanol, 30 mM EDTA)(4. に記載のDNAマーカーには添付されている。)
- DNA 染色剤
SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain(製品コード 5760A/5761A)
またはエチジウムブロマイド
【機器】
- ヒートブロック(95℃まで温度を上げられるもの)
- 1.5 mlチューブ対応型冷却遠心機
- サーマルサイクラー
TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Touch(製品コード TP350)
TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient(製品コード TP600)
- 電気泳動装置
Mupid-2plus(製品コード M-2P)
Mupid-exU(製品コード EXU-1)
- UVトランスイルミネーター(300 nm前後のもの)
- 電気泳動ゲル撮影装置(SYBR Green Iを使用する場合は専用のフィルターが必要)
【その他】
- 1.5 mlチューブまたは0.2 ml PCR tube [0.2 ml Hi-Tube Dome Cap(製品コード NJ200)など]
- 200 μl & 20 μlマイクロピペット
- マイクロピペット用チップ
- アガロースゲル染色用トレイ(SYBR Green I を使用される場合はポリプロピレン製容器を使用してください。)
増幅されるDNAサイズ
標的遺伝子 | 増幅DNAサイズ |
腸管出血性大腸菌ベロ毒素遺伝子 VT1、VT2、VT2vha、VT2vhb、VT2vp1 | 171 bp |
2×One Shot PCR solution中に含まれているもの
- PCR Primer EVC-1 & 2
これらは株式会社島津製作所で製造されたものです。
- Control template EC3
PCRが正常に行われていることを確認するためのpositive control templateであり、このtemplateを鋳型にしてPrimer EVC-1 & 2でPCRを行うと、685 bpの増幅産物が得られる。
- TaKaRa Ex Taq HS
TaKaRa Ex Taq HSは、抗Taq抗体とTaKaRa Ex Taqを混合したもので、ホットスタートPCR用の酵素である。高温に加熱するまでは抗Taq抗体が酵素に結合し、ポリメラーゼ活性を抑えているため、サイクル前のミスプライミングやプライマーダイマーに起因する非特異的増幅を防ぐことができる。
- Ex Taq Buffer
- dNTP Mixture
使用に関して
- 本キットは遺伝子検出であるため、不活化された細菌も検出し、生菌のみを検出対象とするものではありません。
また、設計したPrimer の配列内に遺伝子の変異や欠損/挿入が生じた際には、検出できない場合があります。
(検査結果判定により発生する問題に関して、タカラバイオ株式会社は一切の責任を負いません。)
- 判定の確定には遺伝子検査だけではなく、培養検査などの結果も併用の上、ご判断ください。