TaKaRa DEXPAT Easyは、ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片からPCR用鋳型に適したDNAを短時間に抽出するための、簡易DNA抽出用試薬である。特殊界面活性剤とPCR阻害物質吸着樹脂が最適濃度に混合されており、1.5 mlチューブに分注済みのため、そのまま使用できる。本チューブにパラフィン包埋組織切片を加え、100℃で加熱後4℃で遠心分離を行い、さらに5分間氷冷するだけの約30分の作業でPCR用鋳型DNAが得られる。また、熱処理後の冷却遠心処理により、吸着樹脂の上部にゲル状の層が形成され、DNA水溶液と吸着樹脂が分離されるため、DNA溶液回収時における吸着樹脂の吸引を防ぐことができ、吸着樹脂のPCR反応液への持ち込みによるPCR増幅阻害も低減されるようになった。
非常に時間と労力を要するパラフィン切片からのDNA抽出が、TaKaRa DEXPAT Easyを用いると、
1.脱パラフィン不要 |
2.全工程約30分で抽出 |
3.PCR用鋳型グレードのDNAが調製可能(400 bp以下のPCRに使用可能) |
4.毒劇物を一切使用しない |
5.部位限定抽出法により解析精度を高めることができる |
6.DNA水溶液と吸着樹脂が確実に分離されるため、DNA水溶液の回収が容易 |
といった優れた特長で、迅速かつ簡便に行うことが可能である。
本試薬は、TaKaRa DEXPAT(製品コード 9091)の性能をそのまま保持している。また、反応チューブに分注し、DNA回収時にDNA水溶液と吸着樹脂が分離されるように組成を改良したことで、さらに使いやすくなった。
なお、パラフィン包埋組織切片から抽出されるDNAは、固定・包埋処理によりすでに分解されている可能性が高く、多くの場合400 bp以上のPCR増幅は困難である。また、抽出されたDNAの品質は固定・包埋された組織の状態に直接影響される。
【注】 | 本製品は、哺乳類組織のパラフィン切片からDNAを抽出して哺乳類遺伝子を検出するために使用してください。細菌および真菌遺伝子の検出に用いることはできません。 |