製品説明
本酵素は一本鎖特異的endonucleaseであり、5’-P末端をもつモノまたはオリゴヌクレオチドを生成する。過剰量(1,000倍)の酵素を用いれば、オリゴマーもすべてモノヌクレオチドになる。二本鎖DNAやRNA、あるいはDNA-RNAハイブリッドに対しては、多量の酵素を用いないと分解することはできないが、この場合にはAT richな領域を選択的に分解する。A↓pN、T↓pN siteを好み、特にA↓pN siteは100%分解するが、C↓pC、C↓pG siteは分解が困難である。
保存
-20℃
濃度
40 U/μl
形状
10 mM | Tris-HCl(pH7.5) |
0.1 mM | 酢酸亜鉛 |
50% | グリセロール |
添付Buffer組成(10×)
300 mM | CH3COONa(pH5.0) |
1,000 mM | NaCl |
10 mM | (CH3COO)2Zn |
50% | グリセロール |
活性の定義
熱変性仔牛胸腺DNAを基質として、37℃、pH5.0において、1分間に1 μgの酸可溶性分解物を生成する酵素活性を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
30 mM | 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0) |
100 mM | NaCl |
1 mM | 酢酸亜鉛 |
10% | グリセロール |
0.5 mg/ml | 基質DNA |
品質管理データ
使用上の注意
- 本酵素は、pH5.0では0.1 mM Zn2+、1 mM cystein、0.005% TritonX-100がないと徐々に失活するが、pH7.0では添加物なしで安定である。pHが低いと一本鎖への特異性が弱まる。1)
- 本酵素はEDTA存在下での熱処理、または0.01% SDSにより完全に失活する。
- 本酵素の二本鎖識別能力は塩基配列に依存しており、切断点はA↓pNおよびT(U)↓pNを好む3)。特にA↓pAは完全に分解するが、GおよびCの配列はほとんど分解しない。
- 本酵素はS1 Nucleaseと異なり、ニックの反対側の鎖は切れない4)。
用途
- 二本鎖DNA末端の平滑化(ただし、平滑化の効率は塩基配列に依存するので注意する)。
- ハイブリダイゼーションのマッピング(S1 mapping)。
特に本酵素はS1 Nucleaseに比べてnibblingが起こりにくく、正確なバンドを与える5)。
起源
Mung bean sprouts
一般的性質
- 分子量
39,000
糖タンパク質
- サブユニット
25,000と15,000へテロダイマー1)
- 至適pH
pH5.0(50 mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH8.0ではこのときの0.01%活性)
pH5.0では、0.1 mM Zn2+、1 mM cystein、0.005% TritonX-100がないと徐々に失活するが、pH7.0では添加物なしで安定。pHが低いと一本鎖への特異性が弱まる1)。
- 補因子
Zn2+が必須
- 阻害剤1)
EDTAで不可逆的に失活
0.01%SDS(at pH5.0)で完全失活