製品説明
本製品は、タカラバイオが独自に開発したHigh Fidelity PCR酵素であるPrimeSTAR HS DNA Polymeraseと反応用バッファー、dNTP Mixtureを、あらかじめ2倍濃度で混合したプレミックスPCR酵素である。反応液調製の手間が大幅に減少し、また、コンタミネーションの危険性も軽減するので、ハイスループットな実験系にも有用である。
本製品に使用しているPrimeSTAR HS DNA Polymeraseは非常に強力な3’-5’exonuclease活性を有し、DNA合成において抜群の校正力を示す一方、
Taq DNA Polymeraseに優る高い増幅効率も示す。常温下でのDNA Polymerase活性および3’-5’exonuclease活性を抑えるモノクロ-ナル抗体を添加しているため、PCR反応前のミスプライミングやプライマーの消化を防ぐことができる。また本酵素は高いプライミング効率を有しているため、アニーリング時間を短時間に設定でき、従来の反応時間短縮することができる。さらに、反応バッファーを高度に至適化することで、幅広いターゲットに対して高Fidelity、高感度、高特異性、高い成功率が実現した。
* PrimeSTAR HS DNA Polymeraseの特長は、
こちらでご覧ください。
内容
(100回、50 μl反応系)
PrimeSTAR HS (Premix) | 500 μl×5 |
組成:
PrimeSTAR HS DNA Polymerase | 1.25 U/25 μl |
dNTP Mixture | 2×conc.;各0.4 mM |
PrimeSTAR Buffer | 2×conc.;Mg2+=2 mM |
保存
-20℃保存(4℃で3ヵ月保存可能)
注)過度な凍結融解の繰り返しは活性が低下する場合があります。使用頻度が高い場合、いったん融解したものは4℃保存をお勧めします。使用前には、転倒混和後スピンダウンしてください
一般的なPCR反応組成(Total 50 μl)
試薬 |
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使用量 |
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最終濃度 |
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PrimeSTAR HS (Premix) |
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25 μl |
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1× |
Primer 1 |
10~15 pmol |
0.2~0.3 μM |
Primer 2 |
10~15 pmol |
0.2~0.3 μM |
Template |
<200 ng |
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滅菌精製水 |
up to 50 μl |
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PCR条件
(A)3 step PCRの場合
98℃ | 10 sec. ┓ | 30 cycles |
55℃ | 5 sec. または15 sec. ┃ |
72℃ | 1 min./kb ┛ |
(B)2 step PCRの場合
98℃ | 10 sec. ┓ | 30 cycles |
68℃ | 1 min./kb ┛ |
本酵素の場合、通常は3 step PCRでの反応をお勧めします。
- ●変性条件98℃
- 5~10 sec.を推奨します。94℃で行う場合は10~15 sec.に設定してください。
- ●アニーリング温度
- まず55℃で試してください。
- ●アニーリング時間
- Tm値(下記の式で計算)が55℃以上の場合→ 5 sec.に設定
- Tm値(下記の式で計算)が55℃未満の場合→ 15 sec.に設定
- ※ Tm値計算方法
- Tm値(℃)= [(A、Tの数)×2]+[(G、Cの数)×4]-5
- プライマーの長さが25 mer以下の場合に適用してください。25 merを越える場合は、アニーリング時間を5 sec.に設定してください。
- <重要>
- 本酵素はプライミング効率が非常に高い酵素ですので、アニーリング時間は5 sec.
もしくは15 sec.に設定して反応を行ってください。アニーリング時間が長くなると、スメアが生じる場合があります。
3 stepでスメアになる場合、もしくはTm値が70℃以上のプライマーを使用する場合には2 stepでの反応をお試しください。
PCR産物について
PrimeSTAR HS (Premix)を用いて増幅したPCR産物のほとんどは平滑末端である。したがって、そのPCR産物をそのまま(必要に応じてリン酸化して)平滑末端のベクターにクローニングすることが可能である。平滑末端ベクターへのクローニングにはMighty Cloning Reagent Set (Blunt End) (製品コード 6027)が利用できる。
T-vectorにクローニングする場合は、PCR産物の3’末端にdAを付加する必要がある。T-vectorへのクローニングにはMighty TA-cloning Reagent Set for PrimeSTAR(製品コード 6019)が利用できる。
【ダイレクトシーケンスを行う場合】
本酵素は3’→5’exonuclease活性を有するため、ダイレクトシーケンシングを行う前にフェノール/クロロホルム処理などのタンパク質除去操作を行ってください。