Ingenio Electroporation Kitは、核酸導入が困難な哺乳動物細胞、特にプライマリー細胞に対して、低コストでありながらも高い核酸導入効率と低毒性を実現する独自のエレクトロポレーション用試薬、キュベット、Cell Droppersで構成されるキットである。Bio-Rad社(Gene Pulser Xcell Electroporator), Lonza社(amaxa Nucleofactor II/2b), BTX社, などが販売するキュベット式エレクトロポレーション装置に適合するので専用装置を新規導入する必要がない。Ingenio Kitのランニングコストは、amaxa Nucleofactor II/2b専用試薬キット(25回分)と比較した場合、25回用キット(MIR50112)では33%OFF相当
*、50回用キット(MIR50115)では47%OFF相当
*、100回用キット(MIR50118)では51%OFF相当
*の低ランニングコストとなり、圧倒的なコストパフォーマンスを示す。Ingenio 0.2 cmキュベットはamaxa Nucleofactor II/2bに適合し、Ingenio 0.4 cmキュベットはBio-Rad Gene Pulser Xcell Electroporatorに適合する。
* amaxa専用試薬キット25回用(2015年2月23日時点での当社調査価格¥60,000)とのコスト比較算出値
図1. ヒトiPS細胞への高効率エレクトロポレーション
2×10
6個のiPS細胞を用いてIngenio Electroporation KitとAmaxa Nucleofector II装置によりプラスミドDNAの導入を行った。
8 μg ZsGreen発現プラスミド(Clontech)を導入した後、0.33×10
6細胞/wellとなるように6ウェルプレートへ播種した。
24時間後に位相差(A)と蛍光(B)顕微鏡観察を行った。さらにフローサイトメーター解析(C)も同時に行った(黒ライン:非導入細胞、緑ライン:トランスフェクション細胞。
85.38%の細胞でZsGreenの発現が確認できた。
★ヒトiPS細胞へのエレクトロポレーション実験のプロトコール(PDF)は
こちら
図2. Amaxa Nucleofector II装置の使用による各細胞へのプラスミドDNA導入効率
プラスミド導入の24時間後にフローサイトメーターにより測定された。
図3. Gene Pulser Xcell Eukaryotic Systemの使用による各細胞へのプラスミドDNA導入効率
プラスミド導入の24時間後にフローサイトメーターにより測定された。
Ingenio Electroporation SolutionとGene Pulser Xcell Eukaryotic System(Bio-Rad社)を用いて、K562またはJurkat細胞に750 nM Cas9と1,500 μM gRNAより作製されたCas9/gRNA RNP複合体をエレクトロポレーションし、(A)PPIBまたは(B)WTAPをターゲットとするゲノム編集を行った。
エレクトロポレーション48時間後に、T7E1アッセイを行い、切断効率の割合を算出した。NSPは非特異的なバンド。
パルス条件: