製品説明
NucleoProtect RNAは、細胞や組織に対してRNAの安定化や分解の防止を行える非毒性の溶液状試薬である。
凍結していない細胞や組織(5 mm径以下)を必要量の本試薬に添加するだけで、試料に含まれるRNAは分解されず、安定に保存される。
細胞や組織サンプルをNucleoProtect RNA中で保存することにより、試料取得後、ただちにRNA精製を行う必要がなくなり、また液体窒素中で急速凍結する必要もなくなる。細胞や組織試料は、RNAを良好に精製するために、取得後できるだけ速やかにNucleoProtect RNA中に保存することが望ましい。本製品中で保存されたサンプルからのRNA精製は、NucleoSpin RNA, NucleoSpin RNA Plus, NucleoSpin RNA Plus XS, NucleoSpin RNA XS, NucleoMag RNA, NucleoZOLなどの標準的なRNA精製キットで行うことができる。
原理 | RNA安定化試薬 |
操作 | 10倍量を添加 |
サンプル | ヒト、動物の細胞、組織(< 5 mm径) |
保存可能期間 | 37℃:≦ 24時間
18~25℃:≦ 7日
4℃:≦ 1ヵ月
≦-20℃:より長期間 |
RNA精製後のRIN値 | 培養哺乳類細胞(HeLa):10
哺乳類組織:>9 |
内容
NucleoProtect RNA Solution
保存
室温
操作手順
図1. NucleoProtect RNAによるRNA安定化
HeLa細胞やマウス脾臓組織をNucleoProtect RNA(MN)、S社製品、Z社製品を用いて保存した後、NucleoSpin RNA Plusを使用してRNAを精製した。NucleoProtectを使用した場合に、分解の少ないRNAが収量よく精製され、良好な結果を得られた。
(マッハライ・ナーゲル社比較データ)
図2. NucleoProtect RNA中での試料の-75℃での保存
NucleoProtect RNAおよびS社製品を使用して組織サンプルを-75℃で3ヵ月間保存した後、NucleoSpin RNA Plusを用いてRNA精製した。NucleoProtect RNAを使用した場合、S社製品を使用または保存試薬なしの場合と比較してRNA分解が効果的に抑えられていた。
(マッハライ・ナーゲル社比較データ)
図3. 組織試料の37℃保存でのRNA安定性
NucleoProtect RNA中でブタの腎臓組織を37℃または4℃で24時間保存後、NucleoSpin RNA Plusを用いてRNAを精製した。37℃で保存した場合も24時間、RNA分解は抑制されていたことがわかった。
図4. 試料保存への凍結融解の影響
HeLa細胞をNucleoProtect RNAを用いて保存し、10回あるいは1回の凍結融解後、RNAを精製してその品質を比較した。10回の凍結融解を行ってもRNAはほとんど分解されていないことがわかった。
NucleoProtectはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。