製品説明
本製品はプローブを用いるリアルタイムPCRにより、検便検体から腸管出血性大腸菌(EHEC)、サルモネラ属菌、赤痢菌の遺伝子を検出するキットである。検出対象遺伝子は、VT遺伝子(EHEC)、invA遺伝子(サルモネラ属菌)、ipaH遺伝子(赤痢菌)で、PCR阻害の有無を確認するためのインターナルコントロールも同時に検出する。
特長
- 前処理は検便検体とLysis Bufferを混合して5分静置するだけ
従来法の熱処理及び遠心が不要
- 専用のLysis Bufferにより鋳型添加を色でチェック可能
検便検体はLysis Bufferと混合することで着色されるため、反応液への鋳型添加の有無を視覚的に確認でき、作業ミスの防止に役立つ。
- 腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌の遺伝子を、1チューブでマルチプレックスPCR
【判定イメージ】
- PCR増幅産物のキャリーオーバーによる偽陽性を防止
PCRは非常に高感度な検出方法であるため、以前に行ったPCR増幅産物のキャリーオーバーによる偽陽性が生じる場合がある。本製品ではUNG(ウラシル-N-グリコシラーゼ)の働きにより、キャリーオーバーしたPCR産物を分解するため、偽陽性を防止することができる。
【検出対象遺伝子とプローブ標識】
検出対象菌種 | 検出対象遺伝子 | プローブ標識 |
RC144A |
EHEC | VT1/2 遺伝子 (stx1a, 1c, 1d, stx2a, 2b, 2c, 2d, 2e, 2g) | Cyanine5 / Dark Quencher |
サルモネラ属菌 | invA遺伝子 | ROX / Dark Quencher |
赤痢菌 | ipaH遺伝子 |
(PCR阻害の有無の確認) | インターナルコントロール | FAM / Dark Quencher |
内容
- TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット(3波長)(製品コード RC144A)
-
- Lysis Buffer for stool test(製品コード 9188)
-
Lysis Buffer for stool test | 2× | 360 ml |
*1 反応に必要なdNTP Mixture、Mg
2+、酵素等を含む。
*2 遮光に留意すること。
*3 他の試薬へのコンタミネーションに留意すること。
保存
-20℃
※Lysis Buffer for stool testは、4℃での保存が可能です。4℃保存の場合は、遮光して保存し、6ヵ月以内に使用してください。
※Lysis Buffer for stool testは、保存条件(小分け分注状態での保存など)により、暗橙色から黄色または橙色に変色する場合があります。
保存中に黄色または橙色に変色した試薬は、溶解性能が低下している可能性があるため使用しないでください。
使用上の注意
Lysis Buffer for stool test(製品コード 9187/9188)は皮膚に接触するとただれ等を起こすことがあります。手袋および防護眼鏡の着用をお勧めします。
万が一、手や粘膜についた場合はただちに大量の水で洗い流し、異常が残る場合は医師の指示に従ってください。目に入った時は、こすらずただちに流水で15分以上洗い流し、必ず眼科医を受診してください。
補足資料など
【判定ツール】
本製品での取得データから、陰性または陽性(+、++、+++)を判定するツールを用意している。
現在、下記の装置に対応している。
Thermal Cycler Dice Real Time Systemシリーズ「食品環境検査用ソフトウェア」
本製品をご購入いただいた方に無償でご提供いたします。詳しくはお問い合わせください。
キット以外に必要な器具、機器(主なもの)
- 【 器具 】
-
- 200 μl、20 μl、10 μl 各マイクロピペット
- マイクロピペット用チップ(疎水性フィルター付)
- 【 機器 】
-
- リアルタイムPCR装置
Thermal Cycler Dice Real Time System III (Cy5) with PC(製品コード TP990)
Thermal Cycler Dice Real Time System Lite(製品コード TP700/TP760:終売)
注:TP700/TP760 は、Cy5 オプションフィルターの追加が必要です。
Filter Unit (Cy5) for LED(製品コード TP703)