本製品は、Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法による等温核酸増幅およびRNAからの逆転写反応を行うプレミックスLAMP/RT-LAMP試薬です。
LAMP法は特定の領域を増幅するための等温核酸増幅法で、鎖置換活性を持つDNAポリメラーゼと4~6本のターゲット領域特異的プライマーを使用し、微量の核酸から目的の領域を増幅します。さらに、鋳型がRNAの場合は、DNAポリメラーゼと逆転写酵素によりワンステップRT-LAMPを行うことができます。
本製品の
BcaBEST Isothermal Mix (2X)には、
BcaBEST DNA Polymerase ver.2.0およびPrimeScript III Reverse Transcriptaseが含まれており、核酸サンプル(DNAまたはRNA)、プライマー、キット添付のTB Green Solution(インターカレーター)と混合してリアルタイムPCR装置などを用いて63℃ 20分の等温条件で反応させることにより、その増幅産物を蛍光で検出します。また、本試薬にはUracil-
N-Glycosylase(UNG)が添加されており、増幅産物のキャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性を防ぐことができます。
LAMP法の原理
LAMP法では、はじめに図1に示す鋳型と4種類のプライマーを使って、図2に示すダンベル型DNAが生成されます。
次に、これらのダンベル型DNAが鋳型となり、指数関数的増幅が生じます。ダンベル型DNAのループ部分に結合したFIP(Forward internal primer)およびBIP(Backward internal primer)の3’末端と、自己と相補的なF1およびB1領域の3’末端が増幅の起点となります。任意の2種類のプライマー(Loop Primer FおよびLoop Primer B)を併用し、計6種類のプライマーを用いた場合、指数関数増幅ステップにおける増幅起点が増えるため、さらに増幅効率が向上します。
LAMP法の詳しい増幅原理図はこちら
図1. 反応開始時の鋳型とLAMP法で用いるプライマー必須の4種類のプライマー(ダンベル型DNAの生成に使用)
図2. LAMP法の指数関数増幅ステップにおけるダンベル型DNA鋳型と増幅起点任意の2種類のプライマー(増幅効率の向上に使用)
- Loop Primer F
- Loop Primer B