pBApo-EF1αは哺乳類細胞用のシンプルな遺伝子発現ベクターである。ヒトポリペプチド鎖伸長因子遺伝子のプロモーター(EF1α promoter)および単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼのポリAシグナルを搭載しており、クローニングサイトに目的遺伝子のORFを挿入することにより、目的遺伝子の発現プラスミドが得られる。通常の遺伝子以外に、microRNA前駆体などの転写産物の発現にも利用できる。
さらに、「プロモーター+ORF+ポリAシグナル」を切り出して、容易にアデノウイルスベクターに乗せ換えることも可能である。アデノウイルスベクターは高い感染効率と広い感染域を持っているため、
in vitroあるいは
in vivoでの遺伝子導入に適している。組換えアデノウイルスの作製には、
Adenovirus Dual Expression Kit(製品コード 6170)が利用できる。
pBApo-EF1αシリーズでは、動物細胞での選択マーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子またはピューロマイシン耐性遺伝子を搭載したベクターがあり、実験目的に適したベクターを選択できる。