製品説明
本酵素は、Thermococcus属古細菌由来のDNA polymeraseをベースに、反応阻害の要因となる酵素の鋳型DNAに対する非特異的結合を抑制した改良型PCR酵素であり、α型特有の高い正確性に加えて優れた伸長性を有している。さらに、タカラバイオ独自の強力な伸長因子と新規開発したプライミング特異性の向上物質(特許出願中)を反応系に加えたことにより、幅広い核酸濃度のサンプルに対して、高速で極めて特異的な増幅を実現している。その結果、一般的なPCR酵素では増幅が困難なGC-rich、AT-richを含む難増幅配列や長鎖のターゲットに対するPCR増幅の成功率が著しく向上している。また、反応バッファーにPCR阻害物質を吸収する成分および増幅を増強する成分を加えたことにより、クルードサンプルからも高効率のPCRが可能である。
なお、本酵素は常温下でのDNA polymerase活性および3'-5'exonuclease活性を抑えるモノクローナル抗体を添加したホットスタートPCR用酵素である。
内容
(200回用)
*1
Tks Gflex DNA Polymerase | 250 U |
2× Gflex PCR Buffer (Mg2+, dNTP plus)*2 | 1 ml×5 |
*1 | 反応液量50 μlでの回数 |
*2 | Mg2+濃度(2×) | 2 mM |
dNTP濃度(2×) | 各400 μM |
保存
-20℃
形状
50 mM | Tris-HCl緩衝液(pH8.2 at 4℃) |
100 mM | NaCl |
0.1 mM | EDTA |
1 mM | DTT |
0.1% | Tween 20 |
0.1% | NP-40 |
50% | Glycerol |
用途
PCR法によるDNA増幅
特に以下のPCR増幅に推奨:
- GC-rich, AT-richなど通常酵素では増幅困難な鋳型からの増幅
- 10 kb以上の長鎖DNAの増幅
- クルードサンプルからの増幅
- 核酸を多く含むcDNAからの増幅
一般的なPCR反応液組成(total 50 μl)
Tks Gflex DNA Polymerase(1.25 units/μl) | 1 μl | |
2× Gflex PCR Buffer(Mg2+, dNTP plus) | 25 μl |
Template | <500 ng |
Primer 1 | 0.2~0.3 μM | (final conc.) |
Primer 2 | 0.2~0.3 μM | (final conc.) |
滅菌精製水 | up to 50 μl |
|
PCR条件(例)
98℃ | 10 sec. | | 30 cycles |
60℃ | 15 sec. |
68℃ | 30 sec./kb |
または、
98℃ | 10 sec. | | 30 cycles |
68℃ | 30 sec./kb |
注)アニーリング温度はプライマーのTm値に合わせて設定する。
長鎖やGC-richなターゲットについては、94℃ 1分で鋳型の初期変性を行うことを推奨する。
また、クルードサンプルから増幅する場合は、伸長時間を1 min./kbに設定することを推奨する。
PCR産物について
Tks Gflex DNA Polymeraseを用いて増幅したPCR産物のほとんどは平滑末端である。したがって、そのPCR産物をそのまま(必要に応じてリン酸化を行って)平滑末端のベクターにクローニングすることが可能である。