製品説明
呼吸器系感染症は、様々な病原菌やウイルスによって引き起こされる。呼吸器系感染症に対して適切な治療を行うためには、原因となる病原菌、ウイルスを特定する必要があるが、ウイルスに関しては臨床症状だけで同定することは困難である。また、同定のためのウイルス分離や血清学的検査は時間がかかるため、早急な対応には対処できない。
本キットは、慶應義塾大学医学部感染症学教室 生方公子先生監修の元、呼吸器系感染症の原因となるウイルス11種-Human respiratory syncytial virus subtype A, Human respiratory syncytial virus subtype B, Human parainfluenza virus 1, Human parainfluenza virus 2, Human parainfluenza virus 3, Human metapneumovirus, Influenza A virus, Influenza B virus, Human adenovirus, Human bocavirus, Human rhinovirus-を、リアルタイムPCR装置を用いて迅速に検出するためのキットとして開発された。
本キットでは、逆転写反応に伸長性能に優れた PrimeScript RTaseを使用し、増幅反応には、Hot Start PCR用酵素TaKaRa Ex Taq HSを使用している。また、検出にはサイクリングプローブ法を採用している。
逆転写反応を行った反応液を6つに分け、それを鋳型として増幅からリアルタイム検出までを同一のチューブ内で行うため、PCR産物を確認するための電気泳動が不要で迅速に結果を得ることができる。また、増幅産物による汚染、他のサンプルへのコンタミネーションの危険性をさけることができる。
なお、各ターゲットのPositive Controlが含まれており、より確実に判定を行うことが可能である。(Ver.3では、プライマーをより最適化した配列に変更した。)
内容
(逆転写反応 20 μl×10反応、リアルタイムPCR 25 μl×10反応×6種類)
1. | 2×RT Buffer Mix*1 | 100 μl(10反応分) |
2. | PrimeScript RT Enzyme Mix I*2 | 10 μl(10反応分) |
3. | 2×CycleavePCR Reaction Mix*3 | 750 μl(60反応分) |
4. | Probe/Primer Mix-1*4 | 20 μl(10反応分) |
5. | Probe/Primer Mix-2*4 | 20 μl(10反応分) |
6. | Probe/Primer Mix-3*4 | 20 μl(10反応分) |
7. | Probe/Primer Mix-4*4 | 20 μl(10反応分) |
8. | Probe/Primer Mix-5*4 | 20 μl(10反応分) |
9. | Probe/Primer Mix-6*4 | 20 μl(10反応分) |
10. | RNase free dH2O | 1 ml |
11. | Positive Control 1 - FAM | 10 μl |
12. | Positive Control 1 - ROX | 10 μl |
13. | Positive Control 2 - FAM | 10 μl |
14. | Positive Control 2 - ROX | 10 μl |
15. | Positive Control 3 - FAM | 10 μl |
16. | Positive Control 3 - ROX | 10 μl |
17. | Positive Control 4 - FAM | 10 μl |
18. | Positive Control 4 - ROX | 10 μl |
19. | Positive Control 5 - FAM | 10 μl |
20. | Positive Control 5 - ROX | 10 μl |
21. | Positive Control 6 - FAM | 10 μl |
*1 逆転写反応に必要なバッファー、dNTP Mixture、ランダムプライマーを含む。
*2 PrimeScript RTase、RNase Inhibitorを含む。
*3 反応に必要なバッファー、dNTP Mixture、酵素を含む。融解させる際、vortexは使用しないこと。
*4 蛍光標識プローブが含まれているため、遮光に留意すること。
保存
-20℃
(注意)
2×CycleavePCR Reaction Mixには酵素が含まれており、凍結融解の繰り返しにより活性が低下する恐れがあるため、一度融解した後はいくつかのチューブに分注して-20℃保存することをお勧めします。長期保存するのでなければ、融解後は4℃で保存しておくことも可能です。
キット以外に必要な機器、試薬(主なもの)
- 核酸抽出試薬(EXTRAGEN II(東ソー株式会社)など)
- リアルタイムPCR装置
Thermal Cycler Dice Real Time System II (製品コード TP900/TP960:終売)
Thermal Cycler Dice Real Time System Lite (製品コード TP700/TP760:終売)
注: | Applied Biosystems StepOnePlus Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)をご使用の場合、Baselineがフラットになるように、必要に応じてAuto設定を解除し、Threshold をManual で設定していただく必要があります。 |
- 200 μl, 20 μl, 10 μl 各マイクロピペット専用反応チューブ
- マイクロピペット用チップ(疎水性フィルター付)
検出ウイルス
| 起因ウイルス | ウイルスの種類 | プローブ蛍光色素 |
Probe/Primer Mix-1 | RSウイルス A型 Human respiratory syncytial virus subtype A | RNAウイルス | FAM |
RSウイルス B 型 Human respiratory syncytial virus subtype B | RNAウイルス | ROX |
Probe/Primer Mix-2 | パラインフルエンザウイルス 1 Human parainfluenza virus 1 | RNAウイルス | FAM |
パラインフルエンザウイルス 2 Human parainfluenza virus 2 | RNAウイルス | ROX |
Probe/Primer Mix-3 | メタニューモウイルス Human metapneumovirus | RNAウイルス | FAM |
パラインフルエンザウイルス 3 Human parainfluenza virus 3 | RNAウイルス | ROX |
Probe/Primer Mix-4 | インフルエンザウイルス A Influenza A virus | RNAウイルス | FAM |
インフルエンザウイルス B Influenza B virus | RNAウイルス | ROX |
Probe/Primer Mix-5 | アデノウイルス Human adenovirus | DNAウイルス | FAM |
ボカウイルス Human bocavirus | DNAウイルス | ROX |
Probe/Primer Mix-6 | ライノウイルス Human rhinovirus | RNAウイルス | FAM |
補足資料