バキュロウイルス・アッセイ方法の比較

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バキュロウイルス・アッセイ方法の比較
製品 BacPAK Baculovirus GoStix Plus
(製品コード 631479)
BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)
(製品コード 631477)
BacPAK Baculovirus Rapid Titration Kit
(製品コード 631406)
BacPAK qPCR Titration Kit
(製品コード 631414)
測定原理 イムノクロマト(ラテラルフロー)アッセイ ELISA 免疫染色 qPCR
物理的力価測定法 機能的力価測定法 機能的力価測定法 物理的力価測定法
測定方法 イムノクロマトとスマホアプリを組み合わせて、ウイルス液のgp64タンパク質を定量 ウイルス液を昆虫細胞に感染させ、ELISA法によって感染細胞のP35タンパク質を定量 ウイルス液を昆虫細胞に感染させ、抗gp64抗体で細胞染色し、顕微鏡下で感染細胞数をカウント ウイルス液に含まれるウイルスDNAのコピー数をリアルタイムPCRで定量
回数 20回 96反応 5回 200反応
測定対象 gp64 p35 gp64 ウイルスDNA
検出感度
ダイナミックレンジ 1~30 ng gp64 1×105~1×107 PFU/ml 1×105~1×107 PFU/ml 1×104~1×108 PFU/ml
所要時間 10分 20時間 2日 4時間
利点/欠点 簡単、迅速、正確な物理的定量が可能/多検体への適応性は低い 機能的力価測定の中では簡便、迅速、多検体にも適用可能/一晩のインキュベーションが必要 プラークアッセイや限界希釈法に比べて短期間で確実に機能的力価が得られる 簡便、高感度/機能的力価は得られない
用途 バキュロウイルス産生時のウイルス回収のタイミングの判定 機能的力価測定、多検体の力価測定(複数キットを使用) gp64ベースの機能的力価測定 ウイルスゲノムのコピー数に基づく力価測定
4種類のバキュロウイルス力価測定キットの相関性
図1. 4種類のバキュロウイルス力価測定キットの相関性
4種類のバキュロウイルス力価測定方法について、測定結果と所要時間を比較した。

BacPAK Baculovirus Expression System(製品コード 631402)を用いてZsGreen1発現バキュロウイルスを作製し、複数の単一プラークから採取したウイルスクローンをそれぞれSf21細胞に感染、4日間培養して得られた培養上清をウイルス液とした。下記の4種類の製品でウイルス力価を測定した。
  • BacPAK Baculovirus Rapid Titer Kit(製品コード 631406):光学顕微鏡下で免疫染色された感染細胞をカウント
  • BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)(製品コード 631477):ELISA法によって感染細胞のP35タンパク質を定量
  • BacPAK qPCR Titration Kit(製品コード 631414):qPCRでウイルスDNAを定量
  • BacPAK Baculovirus GoStix Plus(製品コード 631479):ウイルスのgp64タンパク質をイムノクロマト法によって定量
それぞれのキットでウイルス力価を測定し、クローンNo.11の感染力価(IFU)とGoStixの結果(GV値)(データ未掲載)をリファレンスとして、各キットについてクローンNo.4のIFUを求めた。IFUの換算には、TBUSA社ウェブ上で提供しているGoStix Plus IFU calculatorとBaculovirus p35-to-IFU calculatorを用いた。
その結果、ウイルス液に含まれるタンパク質量やDNA量を測定する物理的力価測定法(GoStixおよびqPCR)と、感染を必要とする機能的力価測定法(ELISAおよびプラーク染色)との間に強い相関が認められた。また、各方法の結果取得までに要した時間を表に示した。

バキュロウイルス力価測定方法の所要時間の比較
図2. バキュロウイルス力価測定方法の所要時間の比較
4種類のバキュロウイルス力価測定キット、および一般的な力価測定方法の所要時間を比較した。BacPAK GoStix PlusとELISAキットは、qPCRやフローサイトメトリーのように特別な機器を必要とせず、従来法と比べて短い時間で簡便にウイルスの力価測定が可能である。

バキュロウイルス力価測定方法の所要時間の比較
図3. BacPAK GoStix PlusとBacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)の用途
BacPAK GoStix PlusとBacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)はバキュロウイルス実験の様々な場面で使用できる。
BacPAK Baculovirus GoStix Plus (A)は、ウイルスクローンのスクリーニングやウイルスストック解凍時などの場面で迅速な力価測定に使用できる。BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash) (B)は、バキュロウイルス力価の標準化や発現の最適化などの場面で機能的力価測定に使用できる。これらの2つの製品は、実験ワークフローの他の場面でも使用できる。
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