BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)は、p35の発現をELISA法で定量することによってバキュロウイルスの機能的な力価を測定するキットです。p35は細胞へのウイルス感染に不可欠な初期発現タンパク質で、感染時に細胞のアポトーシスを阻害します。感染の4~12時間後に細胞質基質で検出され、細胞の形態変化やウイルス出芽が起こる前にウイルスタンパク質の発現能を正確に測定できます。本キットは、約2時間の操作で20時間以内に結果を得ることができ、10
4 pfu/ml(IFU/ml)以上のウイルスの測定が可能です。
なお、ウイルス力価(pfu/ml)を求めるには、あらかじめ感染力価が既知の標準ウイルスを用いてp35の測定値からpfu/mlへの換算値を求めておくことをお勧めします。
p35の測定値からのIFU/ml計算ツール「Baculovirus p35-to-IFU calculator」は
こちら(TB USA社のサイト)
図1.BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)のワークフロー
- ウイルスサンプルを段階希釈する
- ウイルスの段階希釈液を昆虫細胞に感染させ、27℃で16~20時間インキュベートする
- 添付のLysis Bufferで感染細胞を溶解し、ELISAによってサンプルの力価を求める
図2.BacPAK p35 ELISA Kit (Single Wash)の反応イメージ
ELISAプレートに細胞ライセートとHRP標識抗体を加えると、サンプル中のp35はプレートに固定化された捕捉抗体によって捕捉され、HRP標識抗体によって標識される。Washing Bufferで洗浄後にTMB Substrateを添加し、Stop Solutionで反応を停止させ、450 nmで吸光度を測定してp35濃度を定量する。