製品説明
TALON CellThruは細胞溶解物や超音波破砕物、発酵産物から直接Hisタグ融合タンパク質を精製する新しいタイプのIMAC樹脂である。
このレジンはTALON Metal Affinity Resinと同じ独自のリガンドを有しているが、より大きなビーズ(300~500 μm)を利用しているため、遠心を行わなくても細胞の残渣が流れ落ちる。
迅速なワンステップ操作で未処理の細胞ライセートから直接Hisタグ融合タンパク質を捕捉するため、タンパク質の分解を最小限に抑えるとともに、従来法より高い収率で精製タンパク質が得られる。
TALON CellThruは、膜結合タンパク質やタンパク質複合体の精製に適している。
一般に、レジンを用いたカラム精製を行う際には、細胞ライセートから遠心分離などで不溶物を除去する必要がある。膜結合タンパク質やタンパク質複合体はこの過程で細胞残渣と共に沈殿して除去されてしまうため、レジンに結合させることができない。TALON CellThruは、サンプルの不溶物を除くことなく未処理のライセートを直接レジンに流すことができるので、遠心分離などのステップを省くことができる。そのため、膜結合タンパク質やタンパク複合体は沈殿として除かれずにライセート中に残っており、そのままレジンに結合させることができる。
レジンは粒径が大きなアガロースビーズでできており、粒子状の物質はビーズの間を通過するが、可溶性タンパク質はビーズに付与されたイオン交換官能基によって捕捉される。本レジンは、拡張床クロマトグラフィー(expanded bed chromatography)によるタンパク質の大量精製に最適で、細胞抽出物からHisタグ融合タンパク質をハイスループットで精製する場合にも適している。目詰まりを防ぐために孔径の大きなフリットを備えたタイプの標準的なクロマトグラフィーカラムに充填して使用する。また、細胞残渣を容易に流し去ることができる孔径90~130 μmのフィルターを備えたCellThru 10-ml Disposable Columnsも用意されている。
図1. TALON CellThruは未処理の細胞ライセートから迅速にHisタグ融合タンパク質を精製図2. TALON CellThruで精製したタンパク質のSDS-PAGETALON洗浄用バッファー中で6xHis-GFPuvを発現した大腸菌 BL21株を超音波処理し、TALON CellThruカラムにかけ、150 mMイミダゾール溶液で溶出した。目的タンパク質の一部は膜画分に捕捉されカラムに吸着しなかった。M:分子量マーカー
図3. CellThru 10-ml Disposable Columns
ニッケルレジンやコバルトレジンを充填できる。
保存
TALON CellThru:4℃