ノロウイルス(NoV)は急性胃腸炎の主要な原因ウイルスであり、組織培養法などを用いた分離・検出が困難なため、RT-PCR法やリアルタイムRT-PCR法などによって、ウイルスの検査診断が行われている。
本製品は、拭き取り検体からノロウイルスを濃縮し、リアルタイムRT-PCR法によりGIおよびGII遺伝子を検出するためのキットである。
【特長】
- 検査フロー
- 迅速便利なオールインワンキット
所要時間は最短1時間20分!
- 前処理は専用濃縮液による遠心濃縮のみ
拭き取り検体に専用濃縮液を添加し、室温で遠心分離を行うだけで迅速、簡便にノロウイルスを濃縮可能。
鋳型の調製は遠心後のペレットをH2Oで溶解するだけで完了する(熱処理不要)。
- 反応液調製は2種類のコンポーネントを混合するだけ
PCR反応液の調製は、RT-PCR Reaction Mix 2とNV Primer/Probe Mix 8を混ぜるだけで完了(室温調製可能)。ポジティブコントロールも付属している。
- 1チューブでGI遺伝子、GII遺伝子、インターナルコントロールを検出
プローブによるマルチプレックス検出を行い、GIとGIIを明確に区別可能。インターナルコントロール検出により偽陰性を防止。
判定イメージ
GI(Cy5)、GII(ROX)の増幅曲線を確認。
ともに増幅が無い場合はIC(FAM)の増幅結果からPCR阻害の有無を確認。
- PCR 増幅産物のキャリーオーバーによる偽陽性を防止
UNG(ウラシル-N-グリコシラーゼ)の働きにより、キャリーオーバーしたPCR産物を分解して偽陽性を防止。
【 プライマー・プローブ配列について 】
GIおよびGII遺伝子の検出には、厚生労働省通知法
*に収載されたものと同様な配列のプライマー、プローブを使用しているが、GII検出系に関しては、一部のプライマーを増幅領域の内側にずらしたもの(GII改良プライマー)を採用している。この変更によりGII低コピー検体の検出感度が向上する。
GII改良プライマーによる検出性能の効果についてはこちら
*「ノロウイルスの検出法について」厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課
(平成15年11月5日付け食安監発第1105001号別添 最終改正:平成25年10月22日付け食安監発1022第1号)
【検出対象遺伝子とプローブ標識】
検出対象遺伝子 | プローブ標識 |
GI遺伝子 | Cy5(レポーター)/ダーククエンチャー |
GII遺伝子 | ROX(レポーター)/ダーククエンチャー |
インターナルコントロール | FAM(レポーター)/ダーククエンチャー |